テントウムシの越冬

凍りつかない仕組み 人間にない便利機能

 「受験」の季語は春ですが、早いところでは年内に試験が行われるなど、受験シーズンに突入しています。中学入試の理科によく出るのが「昆虫の冬越し」です。それぞれの虫がどの姿で冬を越すかという問題です。

 覚えるための語呂合わせは「バカたまご、トカセ幼虫、チョウさなぎ、ハチアリテントウ親で冬越し」。

 成虫で越冬できる虫は多くなく、バッタとカマキリは卵の時に、トンボ、カブトムシ、セミは幼虫、チョウはさなぎ、ハチやアリ、テントウムシは成虫の時に冬を越すという意味です。

 昆虫にはそれぞれ厳しい冬を越すための「秘策」があります。

 例えばテントウムシは、あえて日の当たらない場所でじっとしています。日が当たる場所では昼間は暖かいですが、夜は急激に寒くなるためです。温度変化を避けるため、一日中温度が変わらない場所にいるのです。

 さらにテントウムシは凍りつかない体の仕組みになっていて、ナナホシテントウは氷点下20度くらいでも凍ることがないのだそうです。

 私たち人間にはそんな便利な機能は備わっていません。それどころか寒い冬は「ヒートショック」で命をおとすこともあります。

 ヒートショックとは、急激な温度差で血圧が上下し心筋梗塞や脳卒中などを引き起こすことです。冬は家の中でも場所によって温度に差ができ、特にお風呂場は、気温が低い脱衣所と暖かい湯船の温度差が大きく危険です。

 一年で最も入浴中の死者が増えるのが12月から2月。安全に入浴するために次の四つを意識してほしいと思います。


(1) 入浴前に脱衣所と浴室を暖める

(2) 食事の直後や飲酒後の入浴は避ける

(3) 入浴は41度以下で、つかるのは10分まで

(4) 入浴前に家族に一声かける。


 お風呂場で亡くなる人は、交通事故で亡くなる人よりも多いそうです。しっかり予防して冬を過ごしましょう。

気象予報士・防災士


2021年11月27日号掲載