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寒さに強いマルハナバチ

  • 3月29日
  • 読了時間: 2分

筋肉を収縮—熱発生 全身包む毛は「毛布」

 標高の高い地域はまだ冬と隣り合わせですが、暖かくなってくると、わずかに咲き始めた花の蜜を求めて「マルハナバチ」が活動を始めます。


 マルハナバチは、モフモフした毛に覆われた丸っこい姿が特徴のハチです。北方で進化したといわれ、寒さに強く、北海道のほか、本州でも長野県などの標高の高い場所に生息しています。


 彼らはどのような寒さ対策を行っているのでしょうか。ほかのハチも同じですが、まず胸の筋肉を収縮させることで熱を発生させて体温を上げたり、蜜を食べて糖を熱に変えることによって体を温めたりしています。さらに、全身を包んでいる毛が毛布のような役割をし、体の熱を逃げにくくしています。ミツバチよりもかなり低い気温でも動くことができるため、早春に花をつける植物にとっては花粉を運んでくれる大事なパートナーになっています。


 今の時期は気温がグングン上がっていき、日毎の寒暖差が一年で最も大きくなる時期です。昨年の長野を例に出すと、3月21日は最高気温でも3度に届かず真冬の寒さでしたが、その後は急激に暖かくなり、4月下旬には29度台まで上がった日が3日間もありました。


 さらに、日々の寒暖差だけでなく、一日の寒暖差も大きいのが春の特徴です。


 こうした時期に注意が必要なのが、急な気温差によって体調を崩す「寒暖差疲労」です。症状は、倦怠(けんたい)感や肩こり、頭痛、めまい、不眠などで、体温を調整する自律神経の機能が乱れ、体調不良につながるのだそうです。


 内陸性の気候により、他県よりも寒暖差の大きい信州。春を楽しむためにも散歩やジョギングなどで体を動かして代謝を良くしたり、お風呂にゆっくりつかったりして、体調を整えるようにしてください。

 (気象予報士・防災士)


2025年3月29日号掲載

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