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今年の流行語大賞は…
「二季」がノミネート と冬しかない状態 毎年12月1日に発表される「ユーキャン新語・流行語大賞」。その年を映す鏡のようなこの賞に、気象の分野からは「二季」がノミネートされました。地球温暖化の影響で春と秋が短くなり、夏と冬しかないような状態を表した言葉です。 気象に関する言葉が最初に選ばれたのは、1990年の「気象観測史上」です。21世紀に入ると、こうした気象をめぐる言葉が頻繁にノミネートされるようになりました。「猛暑日」「ゲリラ豪雨」「爆弾低気圧」「PM2.5」「線状降水帯」「災害級の暑さ」「命を守る行動を」「地球沸騰化」…。どれも異常気象によって生まれた言葉ばかりです。 さらに、今年は群馬県伊勢崎市で国内最高の41.8度を観測。気象庁では40度以上の日を表す新しい言葉を検討しており、「酷暑日」が有力のようです。近いうちに、この言葉も流行語大賞の候補に挙がるかもしれません。 近年の暑さは人間だけでなく虫たちの世界にも深く影響を及ぼしているようです。 今年の夏は、蝉の声が少なく、蚊の姿もあまり見かけませんでした。蝉は暑いと熱中症のような状


にぎやかな秋の虫の声
雄から雌への「求愛」 土の中に産卵し越冬 秋も深まり、朝晩はひんやりとするようになりました。虫たちの声もだいぶ落ち着いてきたように感じます。 スズムシやコオロギ、マツムシ…。どの虫も鳴くのは「オス」のみです。 メスへの「求愛」のため、翅(はね)を擦り合わせて音を出し、存在をアピールします。この時期に必死に鳴くのは、寒くなる前に子孫を残すためです。 土の中に産みつけられた卵は、そこで冬を越します。地上の気温が氷点下になる真冬でも、土の中はプラスの温度を保つため、卵が凍りつくのを防いでくれるのです。小さな虫たちも次の命へつなぐための知恵をもっているのですね。 虫の声に話を戻すと、その音を「秋の風情」として心に留めるのは、日本人特有の感性なんだそうです。外国人が虫の音を「雑音」と認識することが多いのに対し、日本人は「声」として言葉のように聞き分けているようです。 こうした感性は雨の音に対しても見られます。雨の降り方を表現するオノマトペは、英語で1000から1500語、フランス語では600語程度なのに対し、日本語では4500語もあるといわれて


アシナガバチの雨対策
巣に入り込んだ雨水 口で吸って外に出す 長かった夏がようやく終わり、季節が秋に移り始めました。あの異常な暑さに振り回されたのは、私たち人間だけではありません。虫たちもまた、厳しい夏をどうにか乗り越えてきました。しかし、彼らの試練はこの後も続きます。雨です。...


増加するクマゼミ
孵化の時期が早まり 生き延びる確率アップ 東京などの都市部では、以前は夏の主役といえばアブラゼミでしたが、最近はクマゼミの「シャワシャワ」という鳴き声が増えているようです。 理由の一つが、気温の上昇により、クマゼミの孵化(ふか)のタイミングが早まっていることで、かつては...


暑さに強いサハラギンアリ
毛の断面は三角形 太陽の光90%反射 アフリカのサハラ砂漠には「サハラギンアリ」というアリが生息しています。地上で最も暑さに強い生物といわれ、地表面温度が70度に達する時でも、餌を探して動くことができます。 この驚くべき行動を可能にしている理由は二つあります。一つは体毛...


ヒアリ
驚きの大雨避難方法 体連結「いかだ」に変身 世界には大雨という自然の脅威に対し、巧みな方法で身を守る虫がいます。「ヒアリ」もそのひとつです。 ヒアリは南米原産で強い毒をもつアリの一種で、日本では「要緊急対処特定外来生物」に指定されています。刺されると死亡することもあるほ...


ホタルの一生
幼虫は長い間水中に 「雨の降る夜」一斉に上陸 一番好きな虫は何ですか。さまざまなアンケート調査で毎回と言っていいほど上位にランクインするのが「ホタル」です。 今年もホタル前線は順調に北上していて、長野県に到達するのは、南部で5月下旬、長野市は6月中旬以降になりそうです。...


カメムシによる被害の増加
理由の一つが「気温」 発生時期の長期化も 「気象予報ムシ」の連載が始まって間もなく4年。周りから虫の話を教えてもらうことも増えました。 昨年多かったのが「カメムシが増えて困る」というものでしたが、皆さんの近くでも異常を感じましたか。...


寒さに強いマルハナバチ
筋肉を収縮—熱発生 全身包む毛は「毛布」 標高の高い地域はまだ冬と隣り合わせですが、暖かくなってくると、わずかに咲き始めた花の蜜を求めて「マルハナバチ」が活動を始めます。 マルハナバチは、モフモフした毛に覆われた丸っこい姿が特徴のハチです。北方で進化したといわれ、寒さに...


福寿草に集まるハナアブ
太陽の光 花の中央に 暖かさ保ち虫も喜ぶ 長野県南部では福寿草が見頃を迎えています。この時季に咲く花は少ないため、春を告げる花といわれています。 開花を喜んでいるのは虫も同じで、花の周りにはハナアブやハエが集まります。...


オツネントンボ
成虫の状態で越冬し 春 産卵場所など独占 日本にいる約200種類のトンボのうち、成虫の状態で越冬するのはオツネントンボ、ホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボの3種類です。 オツネントンボの語源は「越年(えつねん)」。北海道から九州まで広く生息しています。少しくらい雪に...


カブトムシとクワガタの越冬
腐葉土や朽ち木の中 その暖かさに守られ 夏の間、子どもたちに大人気のカブトムシやクワガタですが、冬はほとんど姿を見かけません。 カブトムシは冬の間、「腐葉土の中」で過ごしています。腐葉土は、枯れ葉が腐って土のようになったものです。枯れ葉が発酵するときに熱が生じるため、カ...


オオキンカメムシ
寒さに弱い南方系 常緑樹に身潜め越冬 日本に生息しているカメムシは約1000種類。その中には「旅するカメムシ」もいます。 「オオキンカメムシ」といい、背中はオレンジと黒色、おなかは蛍光ピンクという派手な見た目に加え、体長2センチの大きな体で、昆虫愛好家からの人気も高いよ...


子グモのバルーニング
上昇気流に乗り空へ 一匹で越冬場所探し キラキラと太陽の光を反射させながら細い糸が空を舞うのを見たことがあるかもしれません。ただの糸ではなく、「蜘蛛の糸」です。 これは、蜘蛛の「バルーニング」と呼ばれる行動です。お尻から出した糸が風に乗ると、その糸にぶら下がるようにして...


避暑をするアキアカネ
暑さに弱く夏は山に 秋になると里に移動 長かった夏がようやく終わって秋になり、長野市内でも赤とんぼが飛び始める頃です。 赤とんぼは、アキアカネの俗称です。漢字にすると秋茜と、特徴そのままの名前ですが、夏まではどうしているか知っていますか。...


秋も蚊に注意を
35度超え 動き鈍く 活動時期がずれ込む 昨年の秋、あるニュースに目がとまりました。「秋も蚊にご用心」。「夏」のイメージがある蚊ですが、最近は活動時期が秋へと変わってきているようです。 人を刺す蚊のうち本州で多く生息しているのが、ヤブカとも呼ばれる「ヒトスジシマカ」です...


暑さに強いタマムシ
体温上昇防ぐ薄い層 翅の表面に幾重にも 私たち人間がウンザリするような暑さのときには、虫たちの活動も鈍くなりますが、中には気温が35度を超える日でも元気に飛び回る虫がいます。 「ヤマトタマムシ」もその一つです。全身が光沢のあるエメラルドグリーンの色をしていて日本の甲虫で最も...


トビイロウンカ
下層ジェット気流に 乗って梅雨期に飛来 人気のある虫とない虫がありますが、特に多くの農家にとって「嫌いな虫」と言えるのが「トビイロウンカ」ではないでしょうか。 夏の終わりから秋にかけて、水田に茶色の円ができることがあります。体長4〜5ミリの小さなトビイロウンカが、稲の汁液を...


ゴキブリも苦手「猛暑」
気温35度以上で「危険」 昼涼しい場所に隠れ 「嫌いな虫」として圧倒的に挙がるのが「ゴキブリ」です。その響きだけで顔をゆがめる人もいるでしょう。ゴキブリに何かをされたことのない人も嫌うのは幼少期からの「刷り込み」が大きく、保護者がゴキブリを嫌っている姿から恐ろしいものだと思...


チョウと紫外線
最も好きな色は「紫」赤には見向きもせず モンシロチョウを観察していると、ある特定の色の花に集まることに気がつきます。 モンシロチョウが最も好きな色は「紫」だといわれています。黄色や青にも集まりますが、赤には見向きもしません。赤は黒に見えるため、認識されにくいのだそうです。...
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