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アシナガバチの雨対策

  • 9月27日
  • 読了時間: 2分

巣に入り込んだ雨水 口で吸って外に出す

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 長かった夏がようやく終わり、季節が秋に移り始めました。あの異常な暑さに振り回されたのは、私たち人間だけではありません。虫たちもまた、厳しい夏をどうにか乗り越えてきました。しかし、彼らの試練はこの後も続きます。雨です。


 例えばアシナガバチは、軒下などに巣を作ることが多いのですが、強い雨が降ると巣の中まで雨が入り込んでしまいます。雨水が巣にたまると、幼虫や卵がおぼれたり、カビが発生したりしてしまうため、どうにかして水を外へ出さなければなりません。


 そこで彼らが行うのが、口で雨粒を吸って、巣の外に運び出すという方法です。顔を覆うほど大きな雨粒も器用に口を動かして処理し、ぬれた巣を掃除します。雨から子どもたちを必死に守る親の姿には、人間にも通じるものがあります。


 さて、私たちにとっても雨の季節は油断できません。台風シーズンは来月にかけて続きます。


 大雨から身を守る方法を聞かれたときに、私が伝えているのが「気象庁の『防災情報』のウェブサイトをチェックすること」です。気象庁のホームページの「はれるんマーク」が目印で、自分の住んでいる自治体を登録でき、警報やキキクル(危険度分布)、雨雲の動きなど、知りたい情報を自由に選んでカスタマイズすることができます。


 ここでぜひ加えてほしいのが「気象台からのコメント」です。今後の防災のポイントや予想降水量などに加え、「このあと大雨情報を発表する」「予報が変わる可能性がある」など予報官の「生の意見」が書かれています。例えるなら、気象台に電話をして今日の天気について聞いた時に、担当の予報官が直接教えてくれるような内容です。普段なかなか聞けない現場の判断や感覚が文字で読めるのは、実はここだけ。災害の危険性が高まると、そのコメントにも緊張感がにじみ、状況の深刻さが伝わってきます。


 ぜひ見る習慣をつけて、防災につなげてほしいと思います。

(気象予報士・防災士)


2025年9月27日号掲載

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