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古墳時代から現代まで

  • 10月25日
  • 読了時間: 2分

「疫病退散」「除災」資料展示 県立歴史館

平城宮・平城京跡から出土した祭祀具が並ぶコーナー
平城宮・平城京跡から出土した祭祀具が並ぶコーナー

 千曲市の県立歴史館は11月16日(日)まで、秋季企画展「疫病退散!除災祈願の考古学〜木製祭祀具にみる古代の祈り」を開いています。


 千曲市屋代遺跡群の発掘調査で大量に出土した7〜8世紀にかけての「木製祭祀具」と、同時代の藤原京と平城京の都城跡から出土した「木製祭祀具」を中心に、古墳時代から現代まで「疫病退散」や「除災」を願う人々の祈りにまつわる資料計356点を展示しています。


 7世紀末から8世紀初めにかけては全国各地で天然痘など疫病が流行。医療が発達していなかった当時、国は神社や寺院に祈祷を命じたほか、災禍や罪、けがれを取り去るために、人形(ひとがた)などの祭祀具を用いた「祓いの祭祀」を行うことで疫病退散を願ったといいます。


 展示では、祭祀に用いた土器や土馬(どば)などの土製品、鈴などの金属製品、人や馬、鳥などをかたどった形代や斎串(いぐし)といった木製品などを時代や地域別に紹介しています。


 屋代遺跡群の出土品では独自のものとされる蛇形の木製祭祀具を、都城跡の出土品では顔や体の線を墨で描いた人形や馬形の木製祭祀 具を間近に見られます。


 企画展主担当で文化財専門員の杉木有紗さんは「祭祀や祈りの形態は変化していくけれど、根底には災厄から身を守って命をつないでいきたいという人々の願いがあることを感じてほしい」と話しています。


 9時から17時。休館日は月曜(祝日は開館)と祝日の翌日。入館料は企画展のみ一般300円、大学生150円、高校生以下無料。11月3日(月)は無料開放日。

 (問)同館総合情報課☎︎274・3991


2025年10月25日号掲載

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