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モディリアーニ !

  • 1月10日
  • 読了時間: 2分

=1時間48分

長野ロキシー(☎︎232・3016)で1月16日(金)から公開

(C)Modi Production Ltd

不遇の画家に訪れた 狂気の3日間を描く

 異様に長い顔と首、うつろな目。モディリアーニの描く肖像画は官能的で倦怠感のある独特な個性を放つ。才能に恵まれながらも批評家に認められず作品も売れなかった時期のモディリアーニの運命を変えた狂気の3日間とは—。「モディリアーニ!」は、俳優ジョニー・デップがおよそ30年ぶりに監督を務めた話題作だ。


 第1次世界大戦さなかの1916年のパリ、モンパルナス。モディリアーニ(リッカルド・スカマルチョ)は出兵を志願した画家のモーリス・ユトリロとの別れの前夜を画家仲間たちと飲み明かしていた。泥酔し騒ぎを起こしたモディリアーニは警官に追われるはめになる。


 一向に作品は売れず、芸術家としても認められないことに落胆したモディリアーニはパリを離れる決意をするが、恋人ベアトリスに背中を押され裸婦像を描くと、有名コレクター、ガニャ(アル・パチーノ)に会いに行くのだが…。


 ジョニー・デップが監督を引き受けたのは、「フェイク」(1997年)で共演したアル・パチーノからの依頼がきっかけだった。


 モディリアーニは困窮生活の中35歳の若さで肺結核のため死去。その死への恐れを描くかのように、随所にダンテの「神曲」地獄篇を思わす死の影が姿を現す。さらにチャップリンのモノクロの無声映画のタッチでモディリアーニの心の内を語らせる。俳優として多くの作品に出演してきたジョニー・デップの経験と感性を生かしたシーンが際立つ。


 モディリアーニの伝記映画では美男俳優ジェラール・フィリップ主演の1958年のフランス映画「モンパルナスの灯」が名高い。失意の中死んだモディリアーニの悲劇と、生前は才能を認めず、モディリアーニの死後、遺作を買い占め値をつり上げる画商のどん欲を描いた。


 これまでの伝記映画とは一味違うのは、コレクターや画商たちに値踏みされることへの怒りと悲しみを爆発させるモディリアーニの心情を丁寧に描いていること。女性たちを引きつけるイタリア男のセクシーさをにじませるリッカルド・スカマルチョが魅力的だ。


(日本映画ペンクラブ会員、ライター)

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