プラハの春 不屈のラジオ報道
- 1月16日
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=2時間11分
長野ロキシー(☎︎232・3016)で1月23日(金)から公開

(c)Dawson films, Wandal production, Česky rozhlas, Česka televize, RTVS - Rozhlas a televizia Slovenska, Barrandov Studio, innogy
市民に真実を伝える ラジオ局員たちの闘い
1968年、チェコスロバキアで起きた民主化の動きは市民に希望と活気をもたらし、首都名を入れた「プラハの春」と言われた。しかし、旧ソ連を中心とするワルシャワ条約機構軍の軍事侵攻により民主化運動は弾圧され、「冬」に逆戻りする―。「プラハの春 不屈のラジオ報道」は、市民に真実を伝えようとしたラジオ局員たちの闘いを描いた実話の映画化だ。
共産主義支配下のチェコスロバキアでは、若者たちが民主化運動に立ち上がりデモが活発に行われていた。国営ラジオ局の国際報道部長ヴァイナーは、政府の検閲に抵抗し自由な報道のために活動していた。中央通信局に勤務するトマーシュは、新たに報道部で働くことを命じられる。それは報道部を監視する国家保安部のスパイとしてだった。だが報道部の記者たちの圧力に屈しない真摯な姿勢を目の当たりにするうちに、トマーシュは次第に良心の呵責に葛藤する。
ソ連軍が当時の最大の報道機関だったラジオ局に攻撃を仕掛けた時、放送局を守るために自発的に市民が集まったという。ジャーナリズムの重要性に次第に目覚めてゆくトマーシュは架空の人物だが、ヴァイナーをはじめラジオ局員の多くは実在の人物で、事件後は解雇や監視、亡命を余儀なくされたそうだ。
デモに参加する弟を守りたいと願い、正義感に揺れるトマーシュの人間ドラマ、スパイ・スリラーの緊迫感、そして真実に毅然と向き合うジャーナリズムの精神など、多くのテーマを盛り込んだ濃密な脚本を手掛けたイジー・マードルは39歳の若手監督。俳優としても活躍していて、初めは自身がトマーシュ役を演じることを想定しながら脚本を書いていたという。
貴重な資料映像を取り込み、政治的激変に揺れる当時のチェコスロバキアの歴史を再現している。
チェコ本国では2024年公開され、チェコ・アカデミー賞で7冠、スロバキア・アカデミー賞で9冠を獲得。年間興行成績・動員1位、歴代2位の記録的大ヒットとなった。
(日本映画ペンクラブ会員、ライター)
2026年1月17日号掲載



