ニホンジカと土砂災害
- 6月27日
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食べ尽くし根失われ 被害大きくする原因

滋賀県と岐阜県の境にある伊吹山で、2023年と24年に想定外の土砂災害が起きました。
きっかけとなった雨は1時間に30ミリ前後。単純な降水量からすると、土砂災害を引き起こすほどの雨ではありません。それなのに2年続けて登山道が崩れたり、土石流が発生したりしました。
被害を大きくした原因はニホンジカです。シカが山の植物を食べ尽くすことで根が失われ、土が崩れやすくなってしまったのです。温暖化で冬を越しやすくなったこともあり、ニホンジカの数は爆発的に増えていて、環境省によると、その生息域は約40年間で2・7倍に拡大。食害による土砂災害は各地で報告されています。
長野県でも南アルプスや北アルプスの高山帯ですらシカの目撃例が増えていて、私たちの身近な山も食害でもろくなっている可能性があります。
「従来の想定」が通用しない災害が増える中、気象庁は、私たちがより直感的に危険を察知できるよう、先月28日から防災気象情報の発表方法を大きく変えました。
大雨に関する注意報・警報は「大雨」「土砂災害」「氾濫」に整理され、どの災害についての情報かが一目で分かるようになりました。発表の流れは、「注意報→警報→危険警報→特別警報」の順で、それぞれ警戒レベル2から5に対応しています。
特に覚えていただきたいのが、レベル4危険警報は「全員避難」にあたる情報だということです。そして、レベル3土砂災害警報に関しては、「数時間後にレベル4の基準に達する」と予想される場合にのみ発表されます。つまり、レベル3になった時点で、その後のより切迫した状況も予想されているのです。危険な地域にお住まいの方は、レベル3の段階で早めに行動を始め、「レベル4」に上がったら、ためらわずに避難するようにしてください。
(気象防災アドバイザー・気象予報士・防災士)
2026年6月27日号掲載



