大雨を察知するアリ

触角や体毛で感じ 巣の入り口にふた

 東大受験を扱ったドラマ「ドラゴン桜」の登場人物に昆虫好きの男子高校生・健太がいます。高校のグラウンドで虫捕りに夢中になっていた彼は、アリが巣にふたをしたことから、まもなく大雨になることを予想し、的中させます。この出来事をきっかけに、健太は東大を目指すクラスに入ることになります。

 健太によると、アリは触角や体毛から気圧の変化を感じ、巣の中が大洪水になる前に「ふたをする」のだそうです。

 「アリが巣の出入り口をふさぐ時は大雨になる」は昔からある言い伝えです。似たようなものに「ハチが河原の高いところに巣を作ると洪水が起こる」があります。昆虫学が専門の安富和男さんによりますと、この二つはどちらも真実味に富んだもののようです。

 私たち人間は脳の発達には恵まれましたが、気象の変化を察知するほどの体の感覚は持ち合わせていません。だからこそ事前に情報を入手し備えておくことが大切です。

 9月1日は「防災の日」です。ハザードマップで危険な場所を確認し、避難場所や避難方法をもう一度確認してみてはどうでしょう。

 ちなみに、わが家は、洪水、土砂災害ともに危険な区域に入っておらず、さらにマンション住まいのため、避難は想定していません。ただ、停電になった場合に備えて、飲食や照明、簡易トイレ、ガスボンベ、モバイルバッテリー、乾電池をそれぞれ多数用意しています。

 地球温暖化に伴い災害が以前より起きやすくなっているのは、皆さんも実感されていると思います。災害は「まさか」ではなく、「いつか」起こるものです。アリが大雨になる前から巣にふたをするように、いざという時に自分や家族を守ってくれるのは、早めの備えだと思うのです。

気象予報士・防災士


2021年8月28日号掲載