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20年前の地図を片手に

映画館・CD店を懐かしむ

案内人和田さんの店でコーヒータイムを楽しむ参加者

 3月15日のまち歩きのテーマは「20年前の地図を片手に今昔さんぽ」。案内人は、南県町の喫茶「サンデーライフコーヒー」店主の和田幸夫さん(48)。和田さんが小学生の頃から青年時代にかけてよく利用した映画館とCD・レコードショップをキーポイントに、かつてはどんな街並みで、今どう変化したのかを想像したり、確認したりしながら歩いた。参加者には20年前の市街地の地図が配られた。

 集合場所の「楽茶れんが館」(大門町)を出発し、地図には載っていない「ぱてぃお大門(蔵)(く)(楽)(ら)(庭)(にわ)」を通り、権堂アーケードに向かい、まず「長野東映劇場」があった場所へ。県下3番目の東映直営館として1958年に開館し、2006年に閉館した。20年前の地図にはしっかり載っていた。

 和田さんは、小学生時代、同映画館で見た「ドラえもん」を懐かしんだ。閉館後、駐車場となったが、現在は新築マンション建設のためのボーリング工事の真っただ中だった。

 旧東映前を南に歩き、20年開通の県庁緑町線を通って中央通りへ。昭和通りと交わる新田町の交差点手前でしばし立ち話。ここは1954年に県下初の信号機が、71年には県内第1号となるスクランブル交差点が導入された場所という。複合施設「TOiGO(トイーゴ)」の場所にかつて丸光百貨店があり、屋上には観覧車が設置されていたことを懐かしく話す参加者もいた。


昔ながらの街並みの千石街にマッチした「千石劇場」横を歩く参加者

 スクランブル交差点を渡って、「もんぜんぷら座」(旧ダイエービル)へ。ここでは、1976年のダイエー長野店開店時から2005年まで7階にあったレコード・CDショップ「ナガノエコー」のオーナーで、現長野銀座商店街振興組合事務局長の斉藤浩明さんがピンポイントゲストで登場。音楽業界が大きく変化する中で閉店を余儀なくされた経過など、商売の苦労を振り返った。「ウルトラ警備隊が着けていた腕時計のようなもので音楽を聴けるようになるとは想像もしなかった」と話すと、うなずく参加者も。

 「チバレコード」があった旧長崎屋ビル、「WAVE」があった旧WALKはやしべ(現マツモトキヨシ)が入っていた建物を懐かしみ、千石劇場を経由して長野駅前へ。JR長野駅ビル内の新星堂からアイビースクエアの旧平安堂、旧タワーレコード跡をつないだ後は、このかいわいにめぐらされた路地裏散策を楽しみながら案内人和田さんの喫茶店に。その場で手びき、ドリップしてくれたコーヒーをゆっくりと飲みながら、参加者7人は、お店で夢中でレコードやCDを物色した時代に思いを巡らせた。

 記事・写真 中村英美


2023年4月8日号掲載

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