131 天狗山
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131 天狗山

岩場を登り岩峰の頂に

山頂から望む隣の男山

 8月末の平日に川上村と南相木村境の天狗山(1882メートル)に登った。標高はさほど高くないが、隣り合う男山(1851メートル)と共に岩峰が並び立ち、岩場歩きが楽しめる。

 7時に山仲間3人で長野市内を出発。長野インターから上信越道に入る予定だったが、朝の通勤時間と重なり渋滞に。急きょUターンし、須坂長野東インターから高速道を走る。

 小諸佐久ジャンクションで中部横断道に入り、佐久平を南下。八千穂高原インターから国道141号に出て、小海町から南牧村を通り川上村へ。


川上村の高原野菜畑を見下ろす

 高原野菜の出荷期とあって、朝から収穫作業に励む人たちが多い。役場の手前から南相木村へ通じる馬越(まごい)峠へ向かう。登山口の峠は道路工事のため、8月中は通行止め。ここからは南相木村に行けないことが分かった。

 峠に車を置き、10時過ぎにスタート。いきなり息が上がる急登が始まる。途中、フシグロセンノウの鮮やかな朱色の花が目に入った。 稜線(りょうせん)に出ると傾斜は緩やかになり、アカマツ林の中を快調に進む。両脇にはシャクナゲの木が目立ち、このところの雨で毒キノコが至る所に出ている。

 次第に道幅が狭まり、上部は岩場となる。岩稜(がんりょう)の下をう回し、岩の上を上るうちにロープ場が幾つか出てきた。ストックをリュックに納め、両手を使ってはい上がる。


山頂直下の岩場を登る

 鉄兜(かぶと)を思わせる山頂部を登りきると、「天狗山」の立派な標識と石の祠(ほこら)が。360度の眺望が開けるが、この日は曇っていて残念ながら西側の八ケ岳は見えずじまい。

 それでも、尾根続きの男山が間近に。左手には、白いマルチに覆われた川上村の高原野菜畑が広がる。右手には南相木村の集落や、これから下る立原(たてはら)高原のキャンプ場が見える。

 北側には谷を隔てて、以前登ったことのある御座山(おぐらさん)のどっしりとした姿が。東側の山腹には、緑の中に白いロックフィル式の南相木ダムが目に付く。

 山頂で昼食を取った後、同行のNさんは同じ道を下り、馬越峠が通れないため川上村から南牧村、小海町を経て南相木村まで車を回してもらう。

 我々2人は西側の登山道を下り、男山への分岐から立原高原へ降りる。コケの生えた薄暗い石ごろ道を滑らないように気を付けながら、ひたすら歩く。

 下山口まで2時間。ほどなくNさんの車と合流。入浴する予定だった南相木村の滝見の湯が休業日だったため、そのまま長野に戻った。

横内房寿


2022年9月17日号掲載

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