公募の年末恒例「第九」コンサート 今年で終了
- 11月29日
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12月14日 ホクト文化ホールで

10回目 300人余大詰めの練習 「最高の舞台に」参加者意気込む
県内外から公募で集まった合唱愛好家ら約300人がベートーベンの交響曲第9番を高らかに歌う「第九年の瀬コンサート」が12月14日(日)15時から、若里のホクト文化ホール(県民文化会館)で開かれる。2014年に始まり、年末恒例となったコンサートだが、10回目を迎える今回が最終回になる。事務局の同ホール企画広報課は「集大成となるファイナルにふさわしい感動的な舞台を届けたい。一人でも多くの人たちに聴いてほしい」とPRしている。
年の瀬コンサートは、本格的な合唱イベントで合唱を盛り上げたいと望む多くの合唱愛好家らの声から始まった。毎回6月から7月にかけて、県内の中学生以上を対象にメンバーを公募して「ながの第九合唱団」を結成。9月の結団式の後、会場となる同ホールで日曜、祝日に全体練習を重ねて12月の本番に臨む。第10回まで参加団員数は延べ3000人近くに及ぶ。
今回の合唱団は、中学生から80代まで県内外から一般公募で集まった314人で構成。声楽家・作曲家で清泉大学短期大学教授の山崎浩さん(飯山市)の指導で練習している。
11月初旬の練習日には200人余りが集まった。山崎さんは「今年はいつもより本番が早い。体調管理をしながら、いい緊張感を持って練習していきましょう」と呼びかけ、全身のストレッチと発声練習でウォーミングアップ。「ここの音の立ち上がり、もう気持ちスピード感があるといいなと思う」などアドバイスをした。団員はドイツ語の歌詞の読み合わせやパートごとの音合わせをするなど、山崎さんのタクトに合わせて伸びやかで張りのある歌声を響かせた。
今回初めて同級生と参加した信大付属長野中学校3年の藤沢理道さんは「ドイツ語は難しいけれど、大人に交じって歌うのは新鮮で楽しい。チケットを買ってくれた人が来てよかったと思ってもらえるような演奏ができたらいい」。3回目の参加という飯山市の中條和子さん(75)は「何百年も前の楽曲を現代に大勢が気持ちを一つにして歌う楽しさを感じる」。同じく3回目の栗田の深沢敦さん(60)は「終わってしまうのは残念。最高の舞台にしたい」と意気込む。
指揮は、世界的に活躍する東京交響楽団桂冠指揮者のユベール・スダーンさん。管弦楽は東京交響楽団。スダーンさんが指導する市内のNOVAキッズオーケストラも出演する。曲目はレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲」、ベートーベン「交響曲第9番ニ短調 作品125(合唱付き)」。
入場料は一般4000円、高校生以下1000円。未就学児の入場は不可。チケットの販売はホクト文化ホール。
(問)同ホール☎︎226・0008
記事・写真 中村英美
2025年11月29日号フロント



