「よこいさ〜ん」の人柄と作品存分に
- 2025年11月22日
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画家横井弘三の展覧会開催中

没後60年記念 信州新町美術館で 長野市民との物語知って
長野市で晩年の21年間を過ごした画家横井弘三(ひろぞう)(1889〜1965年)の没後60年を記念する展覧会「ながのしアチコチよこいさ〜ん」が信州新町美術館で開かれている。素朴で情愛にあふれた作風が特長で「日本のアンリ・ルソー」ともいわれ、後に「童心芸術家」の名を冠せられた横井の人柄と作品を存分に鑑賞できる展覧会だ。
横井は飯田市生まれ。3歳の頃から東京で育った。早稲田大学商学部に進むも中退、独学で油絵を学ぶ。大正期、初出品の二科展で樗牛(ちょぎゅう)賞、翌年には最高賞を受賞するなどして画壇の注目を集める。
1944年、55歳の時に一家で疎開したのが長野市だった。それから76歳で亡くなるまでをこの地で過ごし、精力的に独自の芸術活動に力を注いだ。
今回の展覧会は、横井の埋もれた作品とエピソードを発掘、顕彰する市民活動を続ける「横井弘三とオモチャン会」が協力。横井が暮らし、歩いた南県町から善光寺界(隈(かいわい)、信州新町の3地域から横井の思い出深い作品計70点を展示し、同会が掘り起こしたエピソードとともに紹介している。
「善光寺界隈」の展示に並ぶ「西光寺の尼寺」は、市内の理容店が所蔵。作品には「店を持って3年目、22歳の頃に、店に飾るならレベルの高い絵をと譲ってもらった」など、所蔵者の写真と、その作品にまつわる話を載せたキャプションが添えられている。
横井は63歳の頃、当時の水内小学校(現信州新町)に100日間滞在して30点余りの作品を描いた。「音楽室にて」は、グランドピアノを弾く校長先生を満面の笑みの児童たちが囲むおおらかで優しい雰囲気に包まれた作品だ。没年に描かれた焼絵の小品「静物」も今回初公開されている。
オモチャン会メンバーで、長野市に疎開した横井の足跡調査を行った黒田弘志さん(74)=上田市=は「横井さんの作品と人柄を愛して支えた長野市民の交流の物語を知ってほしい」と話す。
来年1月25日(日)まで。11月23日(日)14時から約40分、横井の友人中村茂八の孫でオモチャン会メンバーの羽田睦美さん(三輪)が「わが家の『よこいさ〜ん』を語る」と題してギャラリートークを開催。29日(土)と12月20日(土)の10時半から約30分間、学芸員による展示解説がある。いずれも申し込み不要。参加無料、要入館料。
休館日は月曜(祝日の場合は翌日)、12月29日(月)から1月3日(土)。開館時間は9時から16時半。入館料は大人500円、高校生300円、小中学生200円(土曜は小中学生無料)。
(申)(問)同館☎︎262・3500
記事・写真 中村英美
2025年11月22日号フロント



