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40 最終レース効果 一発逆転に賭ける心理
刑事ドラマで、逃げ場を失った犯人が人質をとるシーンがしばしばあります。 取り囲む警官隊に対して、犯人は人質の命と交換に逃走用の車などを要求します。うまく逃げられる可能性はほぼゼロなのに、追い詰められた犯人はなぜ大きな賭けに出るのでしょう。...


39 参照点依存性 参照点と比べ 価値を測る
突然、「お宅の来年の世帯年収は500万円になります」と言われたと想像してください。 あなたは喜びますか、それとも悲しみますか。それは人によって違うはずです。なぜなら誰もが、前年の年収と比較して考えるからです。仮に前年の年収が300万円であれば、200万円も上がったとうれしく...


38 現状維持バイアス 無意識にリスクを回避
子どもの頃に「だるま落とし」の玩具で遊んだことはありますか。 だるまの下に数段重ねた積み木を木づちで横から打ち抜くと、上に乗った積み木やだるまは横にずれることなく、そのまま下に落ちます。そうなるのは慣性の法則が働くからです。静止状態の物質は、慣性によりその場にとどまろうとし...


37 損失回避の法則 「損」の感情は「得」よりも強い
経済学など習わなくても、1万円損したときと1万円得したときに人の気持ちに与える影響度は、プラスとマイナスの違いはありますが、同じと考えるでしょう。 しかし行動経済学において、これらの影響度は同じではありません。ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授は、これを証明...


32 ギャンブラーの誤謬 4回連続「表」...次こそ「裏」?
2016年、カジノを含む統合型リゾート(IR)整備推進法の成立により、カジノの開業は20年代半ばとされてきましたが、コロナ禍でさらに先になりそうです。 シンガポール、マカオなどカジノで潤う事例から日本経済活性化に期待する声がある一方で、ギャンブル依存症の人が続出することや、...


26 メンタル・アカウンティング 無意識のうちにお金を分類
19世紀の英国の文豪チャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」は、世界中で読まれている名作です。 主人公の初老の商人、スクルージは冷血な守銭奴でしたが、クリスマスの幽霊に自身の過去・現在・未来を見せられます。みじめな死にざまを知ったスクルージは改心し、お金よりも人間を...


36 代表性ヒューリスティック 「ありそう...」で判断ミス
にぎわう大型スーパーで探している商品がどうしても見つからないとき、店員に売り場や棚を教えてもらうのが早道です。 そんな状況で、エプロンや白い帽子などの格好から尋ねた人が来店客だったという、気まずい経験をしたことはありませんか。...


35 連言錯誤 「もっともらしさ」から混同
SNSは今や生活には不可欠です。主な使い方は知人同士のコミュニケーションですが、2017年の流行語大賞にもなった「インスタ映え」のような使い方も人気です。 これは写真や動画を投稿する「Instagram」で、見栄えの良い写真と投稿によって自分のページが「映える」ことです。自...


34 確証バイアス 思い込みの助長に警戒必要
几帳面な性格の人の血液型がA型だったら多分あなたは納得するでしょう。 一方、大ざっぱな性格の人からA型だと言われたらA型を疑うか、A型の例外と考えるかもしれません。 1920年代に始まった日本の血液型性格判断は、70年代の血液型占いブームなどを経てすっかり定着しました。しか...


31 理由に基づく選択 矛盾あっても気にならず
「自分へのご褒美」という言葉は日常的によく使われます。 頑張った自分をねぎらい、ぜいたくな買い物をしたり、ごちそうを食べたりするのは悪いことではありません。しかし、これは不思議な表現です。褒美をあげるのも、もらうのも自分であり、そこに客観的な判断の根拠はありません。それでも...


30 認知的不協和 一貫性保てず覚える不快感
シェークスピアの「ロミオとジュリエット」は、対立し合う名家の息子と娘の悲恋の物語です。 恋に落ちた2人に数々の悲劇が襲うのですが、2人は最後まで愛を貫こうとします。こうした反対や苦難が大きいほど燃え上がる感情を、行動経済学で解釈してみます。...


29 極端回避性 松竹梅の竹を選ぶのは...
最近は企業がインターネットでアンケート調査を行うケースが増えました。 皆さんも回答者になった経験があるかもしれません。実はここで調査をする側が必ず悩む点があります。 「テレワークを導入するべきだと思いますか?」という調査をすると仮定します。基本的な手法は、米国の心理学者によ...


28 サンクコスト効果 食べ放題で元を取ろうと...
世の中には、豪華すぎる社屋、建物は大きくて立派なのに利用者が少ない公共施設など、過剰な投資に見える建設事業があります。 また、スマホのソーシャルゲームやゲームセンターのクレーンゲームなど、延々と時間をかけて続けてしまう行動があります。...


27 後悔の回避 高額の無駄遣いをする理由
競い合って最も良い購入条件の人が買える取引「オークション」の始まりは紀元前500年だそうです。 当時は限られた人のものでしたが、現代のネットオークションは大勢の人が気軽に参加できます。 人気商品では、時間切れ間際まで入札金額が上がり続け、値段が高騰するケースがよくあります。...


25 プライミング効果 語源は「前もって教え込む」
あなたは自分の性格を把握していますか? 民間の会社が全国の20~49歳の男女1000人を対象に行った「自分自身の性格・性質に関する調査」によると、自分自身の性格を客観的に捉えていると答えた人は36%、捉えていないと答えた人は14%、50%は分からないと答えました。多くの人は...


24 初期値効果 人の選択や行動に強い影響
身近にある機器の中で、最も便利で大事な物は何かと聞かれたら多くの人はスマホを挙げるでしょう。 必要な通信手段であるほか、アプリをインストールすることで、カメラ、アルバム、財布、地図、メモ帳、本、音楽プレーヤー、ゲーム、通帳など、さまざまな機能を果たしてくれます。...


23 経路依存性 関係のない過去に縛られ
パソコンを仕事や生活で使う皆さんは、キーボードをもっと速く打ちたいと思っていませんか? あまり知られていませんが、キーボードが打ちにくい理由は、パソコンを扱う人間の側ではなくキーボードの側にあるのです。 一般的なキーボードのアルファベットの配列は左上から右へ順にQWERTY...


22 あぶく銭効果 ~幸運の大金を無駄遣い
「『その日』から読む本」を知っていますか? これは宝くじで1千万円以上の高額当せんした人に無料で配布されている小冊子です。 世の中には、せっかく宝くじに当たったのに当せん金を浪費してしまい、破産、詐欺被害、財産争いなどの問題を抱える人が多くいるのです。...


21 貨幣錯覚 「25%お得」を「20%割引」とも
最近、話題の「Go To イート」。地域の飲食店で使えるプレミアム付き食事券について、農水省のサイトには「販売額の25%を国が負担します。 例 1万2500円の食事券を1万円でご購入頂けます」とあります。「25%お得」とPRする関連サイトもありました。...


19 現在志向バイアス 目の前の事柄を過大評価
健康長寿は昔から、人々の大きな関心事でした。 現代でも健康を願う人たちは、肥満や喫煙、生活習慣病の話題に関心を寄せます。健康を大切にする人にとって、人間の不合理な側面を解き明かしてくれる行動経済学は役立ちます。なぜなら健康を損なう大きな原因は、不合理な行動にあるからです。...
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