サンキュー、チャック
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長野グランドシネマズ(☎︎050・6875・0139)で、5月1日(金)から公開

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テレビ画面に謎の男 予言の書のような展開
「サンキュー、チャック」は、数々のベストセラー小説で知られるスティーブン・キングが2020年に発表した小説「ザ・ライフ・オブ・チャック」の映画化。フィルムを巻き戻すかのように39歳の「今」から少年時代まで、チャックと呼ばれる謎の男の人生をたどってゆくヒューマンファンタジーだ。
物語の始まりの「第3章」。地球は天変地異に見舞われ、終焉を迎えたかのよう。電話もネットもSNSもつながらず、すべての通信手段がダウンしたのに、なぜかテレビの画面や街頭広告に一斉にある男が映し出される。「ありがとう、チャック」というメッセージとともに。何もかもが断絶した中で、なぜチャックの画像だけが映るのか。
第2章。路上ミュージシャンの若い女性がドラムをたたき始める。
そのリズミカルな演奏に一人の男がリズムをとると突然、踊り始めた。意外にも普通のサラリーマンにしか見えない男のダンスがあまりにも見事だったこと。その男の名はチャック(トム・ヒドルストン)。
第1章は、両親を失い祖父母と暮らすチャックの少年時代。祖母の影響でダンスを始め笑顔を取り戻すチャック。祖父(マーク・ハミル)が固く禁じたのは、屋根裏部屋のドアを開けてはならないこと。その部屋にはある秘密が隠されていた。
チャック役のトム・ヒドルストンのチャチャ、スウィング、ジャズなど流れるように美しいダンスシーンが大きな見どころだ。振り付けは、「ラ・ラ・ランド」のマンディ・ムーアが手掛けている。
異常気象と自然災害が続く今の地球に暮らす私たちにとって、「いつか起きる未来かも」。そんな恐ろしい予言の書のような展開は、ホラーよりも現実味を帯びた恐怖そのもの。ほんのわずかな宇宙時間に存在する私たちは、貴重な奇跡の時を生きているのだと改めて思い知らされる。
映画化された作品も多いスティーブン・キングの作品群の中で、「スタンド・バイ・ミー」や「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」に続く感動のヒューマンドラマ。ファンタジーでありながら人生の深淵さを映し出す。トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞した。
(日本映画ペンクラブ会員、ライター)
2026年4月25日号掲載



