54 バーナム効果 「自分に当てはまる」と捉え

血液型によって性格が異なるという説を信じている人は多いことでしょう。

 「真面目なA型」「マイペースなB型」「バイタリティーがあるO型」「合理的に考えるAB型」といった具合です。

 これが広まった発端は、1971年ごろにベストセラーとなった「血液型人間学」に関する能見正比古さんの著書です。その後もマスコミが頻繁に取り上げて大ブームとなったため、今でも多くの人が知っています。

 しかしながら、この説が信じられているのは日本と、その影響を受けた韓国などの一部だけだといわれています。その他の国の人々は、血液型と性格に関連があると考えていません。それどころか、血液型への関心自体がなく、自分の血液型を知らない人も多いようです。

 日本における普及のきっかけは一冊の本ですが、多くの人がこれを信じ、ブームに至った背景には「バーナム効果」の影響があると考えられます。これは「誰にでも該当するようなあいまいで一般的な性格や特徴など」を「自分に当てはまる」と捉えてしまう心理です。

 実際には、A型以外の人も仕事や勉強には真面目に取り組むはずです。またB型以外の人でも、余暇や趣味はマイペースに進めることでしょう。つまり、真面目、マイペース、バイタリティーがある、合理的などの性格は、誰にでも当てはまるものです。

 それにもかかわらず血液型のように、根拠がありそうなかたちで提示されると「自分に当てはまること」と思ってしまうのです。血液型性格診断を会話のネタにする程度ならよいかもしれません。しかし誤った根拠を基に判断を下すことになると問題です。例えば、血液型性格判断を信じた結果、「彼はA型で私はB型だから恋人同士にはなれない…」などと考えるケースです。

 あるいは薬局で白衣の販売員に「最近、朝起きるのがつらいでしょう」と言われ、自分に当てはまると思った直後に「早起きに効くサプリ」を勧められたらどうでしょう。早起きがつらいのは万人に当てはまるとは考えもせず、買ってしまうかもしれません。

 バーナム効果を知れば、こういった誤った判断を避けられます。ぜひ覚えておいてください。

マーケティングコンサルタント


2021年8月28日号掲載