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147 独鈷山
山頂からは360度の展望が 新緑が美しい5月上旬の週末、上田市の塩田平と丸子町境に連なる独鈷山(とっこさん=1266メートル)に登った。この山に登るのは3回目。今回は西前山から上り、初めて沢山湖へ下った。 塩田平の南側に峨峨たる山容を見せる独鈷山は古くからの信仰の山だ。...


19 カッコウ研究の国際化
テルアビブ大教授が来日 共同研究など交流盛んに 千曲川の調査地でカッコウは、オオヨシキリ、モズ、オナガの3種に托卵(たくらん)していました。調査では、これらの鳥の巣をすべて見つけて、托卵されたカッコウの卵の重さ、大きさ(長径・短径)を測定し、写真を撮ります。雌により卵の大き...


18 カッコウの複雑な繁殖生態
個体ごとの行動徹底調査 世界初の解明につながる 1986(昭和61)年、私は信大教育学部助教授になり、カッコウの托卵研究が本格的に始まりました。私が最初に解明したかったのは、カッコウは縄張りを持っているのか、カッコウにつがい関係はあるのか—の2点です。...


17 カッコウの研究開始
効率的な捕獲方法を確立 発信機による行動追跡調査 私の次の研究テーマであるカッコウの研究は、調査時期がライチョウと重なることに悩みながらも、信大に赴任の翌年から開始しました。 最初に調査地として選んだのが、志賀高原の北にあるカヤノ平でした。大学の「カヤノ平ブナ原生林教育園」...


146 長者山
山頂から白銀の北ア展望 前日までの雨が上がった3月末の平日、長野市信州新町の長者山(1160メートル)に登った。今年最初の登山のため〝軽い山〟を選んだつもりだったが、上部は思いのほか雪が深かった。それでも山頂からは白銀の北アルプス後立山連峰を一望。見応えのある景観を楽しんだ...


チョウと紫外線
最も好きな色は「紫」赤には見向きもせず モンシロチョウを観察していると、ある特定の色の花に集まることに気がつきます。 モンシロチョウが最も好きな色は「紫」だといわれています。黄色や青にも集まりますが、赤には見向きもしません。赤は黒に見えるため、認識されにくいのだそうです。...


16 ライチョウ調査
山で縄張りを数えるだけ 当時は研究の意欲湧かず 信州大学に赴任した翌年の1981(昭和56)年6月、ライチョウ調査が始まりました。最初の調査地は南アルプスの白根三山でした。参加したのは、私と研究生の小岩井さん、学生2人の計4人。小岩井さんは、筑波大学の山岳部出身で、卒業後、...


15 助手の試練
恩師の「処世術」に違和感 学内の人間関係煩わしく 助手として羽田先生の仕事を手伝うとともに、私は羽田先生から信州大学での「処世術」も教え込まれました。 8月に助手就任早々、理科の先生一人一人に手土産を持参してあいさつに行くように言われました。先生ごとに手土産の値段や好きな品...


14 信大に赴任
多くの仕事 家計も厳しく 学生の助けや実家の援助 1980(昭和55)年8月1日、信州大学に赴任早々、羽田先生から壮大なライチョウ調査計画を聞きましたが、実際の調査は翌年の6月からでした。その前に、羽田先生から私にしてほしいと依頼されたさまざまな仕事がありました。...


アリの春の準備
土や砂どかして外へ 人間よりも一足早く 足元の小さな虫たちも春の到来を察知し、動き始めています。 春を感じたアリがまず始めにするのが、巣の出入り口を整えることです。冬の間、アリたちは地中にこもるため、巣の穴は土や砂でふさがれてしまいます。そのため、冬が終わると、土や砂をどか...


145 大室山
リフトで上り火口を周回 3月初めに妻と伊豆地方を旅行した際、静岡県伊東市の大室山(580メートル)に立ち寄った。伊豆東火山群のシンボル的な山で、以前訪れた韓国済州島の世界文化遺産、城山日出峰(ソンサンイルチュルボン=180メートル)によく似ている。...


13 恩師からの誘い
ライチョウ調査を手伝う 回ってきた助手のポスト 京都大学大学院で学位論文をまとめていた頃、研究室で雑談をしていると、信州大学の恩師・羽田先生から電話がありました。「6月下旬に3日間ライチョウ調査をするので手伝ってほしい」という内容の短い電話でした。京都に来てから私が羽田先生...


12 理学博士の学位
研究と育児の両立忙しく 5年間の研究成果論文に 結婚して2年目、私たち夫婦に子ども(長女)が生まれ、生活は一変しました。私は、これまでのように全国各地に調査に出かけ長期間家を留守にすることができなくなりました。 当時、私はまだ学生だったので、働いている妻が世帯主、私は扶養家...


サケの更紗焼き
2024年3月16日掲載 春の訪れを感じる楽しい食卓 春の訪れは心をウキウキさせます。季節の変わり目は、体調を崩しやすいので、食物繊維の豊富な食材を使い腸内環境を整え、健康に春を迎えましょう。 (県栄養士会北信支部)...


菜の花とエリンギのからしあえ
【材料(2人分)】 エリンギ………100g 菜の花…………1/2束 しょうゆ………小さじ2 練りがらし……小さじ1 【作り方】 ❶エリンギは縦に割いて長さ4cmほどに切り、グリルで焼く ❷菜の花は色よくゆで、4cmほどに切る...


11 「渡り」の解明
カワラヒワの「大きさ」注目 「おとり無双」「ブリ縄」駆使 カワラヒワは、北で繁殖する集団ほど体が大きいという「地理的変異」を発見した後、同じく体の大きさに注目した研究で、この鳥の「渡り」の問題も解明できました。 北海道以北で繁殖する集団は冬に南に渡ります。山階鳥類研究所にあ...


10 博士課程の研究
調査地を全国に広げて 独自の着眼点で新発見 京大の大学院でカワラヒワの調査を始めて、長野と京都では異なる点が幾つか見えてきました。一つは繁殖環境の違いです。つがいができる時期は、長野では春先、京都では秋の終わりでした。また、京都で繁殖するカワラヒワは長野の個体に比べて体がや...


09 私の研究スタイル
放任主義の考えに違和感 「動物的な直観力」の研究者 京都大学で初めて厳しい論文指導を受け、私は日本語の書き方をはじめ、論文の書き方を一から学ぶことになりました。論文で大切なのは、発見した事実や解明したこと自体ではなく、それが学問や社会にどのような意味を持っているのか(New...


08 結婚した頃
京都での研究が本格化 未発表の研究を論文に 結婚を契機に私の生活は大きく変わりました。修士課程の2年間は啓光学園で生物の非常勤講師をしていていたほか、2年目からは大阪にある夕陽丘予備校で生物を教えるアルバイトもしていました。...


ナナフシモドキと暖冬
卵が越冬しやすく 安曇野市では大発生 この冬は予想された通りの暖冬でした。平均気温は、12月と1月に加えて2月も各地で平年を上回りそうです。諏訪湖も御神渡りが6季続けて出現しませんでした。 雪も少なく、これまでとは違う冬になっていて、この虫への影響も気になります。...
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