週刊長野 親しまれて2000号
「私の歩み」と「料理欄」紹介
週刊長野は7月27日、2000号を発行しました。40余年にわたり読者の皆さまからご愛顧いただいてきたからこそと感謝申し上げます。2000号記念号では、週刊長野の連載で長い間よく読まれ、反響も多い「私の歩み」と料理コーナーを改めて紹介します。
「私の歩み」31回連載

「私の歩み」31回連載
孫におじいちゃんの人生
伝えるという思いで
美容室「ALPHA」社長
杉山一真さん
美容室「ALPHA」社長、杉山一真さん(71)の「私の歩み」は2021年9月11日号から翌22年4月23日号まで計31回にわたり連載されました。成功談にとどまらず、失敗談を語ることもいとわない語り口は多くの読者の共感を呼びました。杉山さんに、自分の半生を紙面で公にする思いや連載の反響などについて聞きました。
―「私の歩み」の掲載依頼を受けた時の気持ちは
これまでの人生、成功ばかりでなく、いろいろな失敗もしてきました。私の生きざまを活字にして喜んで読んでもらえるのか。そうした疑問と、以前、活字にする怖さを味わったこともあったので、引き受けるかどうか葛藤がありましたけど、孫におじいちゃんの人生を伝えるという思いで進めていけばいいのかなと思って引き受けました。
―実際に取材を受けてみて
自分の生き方を見つめ直すことができました。「これで良かったのだろうか」と、「これで良かったのだ」という二つの思いが同居することもあります。妻に意見を求めたこともあります。恥をさらすような思い出も、「これを書かないと次につながらない」「うそを書くことになってしまう」と説明し、編集者にも相談してあえて載せたこともあります。それでも書けなかったこともいくつかありますが。
―失敗もあえて語ったのはなぜですか
私は成功した人の本を読むのが好きで、本当の成功とは何か―と追究してきました。一方で、以前から「失敗者から学んだ方がいい。成功と失敗は同居している。失敗によって慎重さと無駄を知る」と考え、失敗にも良いことがあるとも思ってきました。失敗して己の生き方を見つめ今をかみしめ、今を感謝した方がいいとも思えてきました。
―自分の半生を語り終えて
どんな人も自伝をまとめたいとの思いはあるはず。しかし「恥ずかしい」とか「大したことはやってこなかったから」などと考えて(躊)(ちゅう)(躇)(ちょ)しているのではないでしょうか。大きいとか小さいというレベルでなく、誰しも人生にストーリーがあります。
―連載への反響は
「毎回毎回読むのを楽しみにしています」といった声はたくさん聞きました。「順調な人生だと思っていたけれど、失敗もしてきたんですね」とか「ナガコレの話が短か過ぎる。もっと書くことがあるはず」と言われたこともあります。
―連載終了後、週刊長野が制作した「私の歩み」インタビュー編を見た感想は
映像から話す人の表情が見えると、一層リアルです。記事では分からないところも動画が語ってくれる。動画と文章の両方を見ることでより分かりやすくなりますね。
◇【注】杉山一真さんの「『私の歩み』インタビュー編」(約26分)のダイジェスト版(約18分)が、週刊長野のYouTubeチャンネルから見られます。
◇過去の「私の歩み」アーカイブ記事はこちらから

月1回「エンジョイクッキング」連載
家族が笑顔になれる
食卓をモットーに
料理研究家
上野美智恵さん
2021年4月から月1回「エンジョイクッキング」を連載中の料理研究家でフードデザイナーの上野美智恵さん=長野市。これまで紹介したレシピは40種類。「家族が笑顔になれる食卓」がモットーという上野さんに、料理記事のアイデアや楽しく料理をつくるこつなどをインタビューしました。
―紹介する料理はどのようにして決めますか
旬の食材や季節のイベントに合わせたものを考えます。季節的に梅を使ったレシピを教えてほしい、など要望があればその食材を使ってどんな料理がおいしいかを考え、お店で食べておいしかったメニューがあれば、「何が入っているのかな」と考えながら自分なりに試作してみます。家族や料理教室での感想も大切にします。
―連載にはどのような反響がありますか
友達だけでなく、いろいろな人に声を掛けていただきます。「スクラップしているよ」と言われたり、「つくりましたフォトレポート(つくレポ)」を頂いたり。反響があるとうれしくて、頑張ろうって思います。
―料理が嫌いな人、苦手な人へのアドバイスは
まずは自分が食べておいしい!また食べたい!と思えるものを作ってみて、それを家族や友達に食べてもらって「おいしい」と言ってもらえると、自信が付きます。自信の持てる、また作りたいと思えるメニューをまずは一つ決めて繰り返し作ってみましょう。何度も作ることで、大さじ、小さじなどの加減が分かってきます。そうして自分の得意メニューを少しずつ増やしていけるといいですね。
―料理を楽しむために
楽しむにはやっぱり無理は禁物。例えば残り物はワンプレートに盛り、作り置きのおかずを足して盛り合わせもおしゃれに見せて、見た目のテンションを上げます。
家では、朝から私の好きな音楽を掛けながらテンション上げて調理します。とにかく無理をしない。お母さんたち、疲れていますからね。
―日常生活で、上野さんは毎食何品つくり、メニューはどのように決め、買い物は週何回、主に何曜日にしていますか
買い物はだいたい日曜日にします。冷蔵庫の中を見てから買い物リストを作ります。その時、主菜や副菜はこれを作ろう、お弁当はこれを作ろうって考えていきます。
食材はできる限りその日のうちにある程度調理し、冷凍しておかずの作り置きをたくさん作っておきます。それも大変ですが、平日仕事から帰ってバタバタしなくて済みます。食べる時に温めたり焼いたりするだけの状態にしておくことで、楽にご飯の支度ができる作り置きはおすすめです。作り置きが苦手な人は、自分に合った方法でいいと思います。
―料理をする上で大切にしていることは何ですか
旬の食材とメニューを意識しながら買い物や調理をしています。体を大切にする食べ方を意識するようになって良かったなと思います。なぜかというと、自然と子どもたちも体にいい食べ方を意識し出したからです。
子どもが小さい頃キャラ弁(キャラクター弁当)をよくお願いされ、毎週のようにミニオンなどのキャラ弁を作りました。すごく大変でしたが、お弁当を開けて喜んで食べている子どものことを考えたら、できるうちはやってあげたいなと思いました。きっとその思い出は子どもたちの記憶にずっと残ると思います。子どもが大きくなって、おふくろの味は何を思い出すのかなと楽しみにしています。
食を通じて、料理に対する気持ちが家族に伝わっていると思います。