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Shall we アイリッシュダンス?

長野市にサークル設立 アイルランドに滞在歴のある北川友里さん 

参加者と一緒に踊る北川さん(右)
参加者と一緒に踊る北川さん(右)
音楽との一体感、ライブ感が魅力

 軽快で明るい曲調にのり、下半身でリズムを刻み、足でステップを踏むのが特徴のアイルランドの民族舞踊「アイリッシュダンス」。このほど、長野市にアイリッシュダンスサークルが設立された。主宰するのは、打楽器奏者で、アイルランドに滞在歴のある北川友里さん(36)=三輪。北川さんは「激しいダンスではありません。運動が苦手な人や年配の人も気軽に踊れるダンスです」と、参加を呼び掛けている。


 アイリッシュダンスは、音楽とともに発展してきた中で、地域によって動きに違いが生まれ、複雑なステップを踏む競技ダンスなどに派生してきた。サークルでは、シンプルな基本のステップを基に、社交ダンスやフォークダンスのようなグループでの「セットダンス」を中心に踊る。


 北川さんは千葉県出身。3歳からピアノ、10歳で打楽器を始めた。国立音楽大学在学中には、若手音楽家らが競う「第14回JILA音楽コンクール」で第2位になった。アイリッシュ音楽との出合いは中学の吹奏楽部時代。当時、アイリッシュ音楽を吹奏楽用にアレンジする流行があった。シンプルなメロディーの繰り返しにもかかわらず、飽きない楽しさに魅せられ、夢中で演奏した。大学で一度、クラシックの道に戻ったが、卒業後にはクラシックの演奏や指導をしながらアイリッシュ音楽のバンドを結成。ドラムスとしてダンスの伴奏を始め、踊りにものめり込んだ。2017年と23年の2度、アイルランドに渡り、計2年半、西部にあるゴールウェイに滞在。語学学校に通いながら、本場の音楽とダンスを学んだ。


 「アイルランドは毎日のように雨か曇り。気分が沈みがちになる現地の人にとっては、音楽にのって仲間と踊ることが、ほぼ唯一の楽しみで、『ライフライン』のような存在」と北川さん。つえを突いていたおじいさんが、音楽が流れるとステップを踏み始めた姿に驚いたという。自身もプロダンサーに習いながら、パブや公民館など集まりの場に通い、ゴールウェイ式のローカルダンスを体に染み込ませた。


 夫は信州大学のアイリッシュ音楽・ダンスサークル出身。昨年末に帰国後、夫の郷里・長野市に引っ越した。「アイリッシュ音楽とダンスのない生活に耐えられず、すぐにサークル設立を決心した」と笑顔で話す。


 「音楽との一体感、踊るパートナーと一体になるライブ感が魅力。リズムを感じて、上級者と踊ってしまうのが上達のコツなので、未経験の人も気軽に参加してみては」と北川さん。現地では50代から80代の人が元気に踊っているという。この日初めてアイリッシュダンスを体験した中野正明さん(67)は、「難しさもあったが、音楽が流れると自然に体が動くので、入りやすい」と笑顔で話した。


 毎月第2、第4金曜日19時半から21時まで。会場は権堂にあるダンスホール「ホール鹿鳴館」。参加費は500円(学生100円)。初回・見学は無料。飛び込み、日本語に不安のある外国人など歓迎(予約不要)。


 (問)北川☎︎080・5472・2762


記事・写真 斉藤茂明


2025年2月8日号フロント

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