34 確証バイアス 思い込みの助長に警戒必要

几帳面な性格の人の血液型がA型だったら多分あなたは納得するでしょう。

 一方、大ざっぱな性格の人からA型だと言われたらA型を疑うか、A型の例外と考えるかもしれません。

 1920年代に始まった日本の血液型性格判断は、70年代の血液型占いブームなどを経てすっかり定着しました。しかし、冒頭の例のように、血液型性格判断は思い込みを助長し、判断の偏りをもたらします。自分が信じる内容を証明する情報ばかりを信じ、反する情報は無視するからです。このような心理を「確証バイアス」と言います。

 ミネソタ大学のマーク・スナイダー教授らは確証バイアスを検証する実験を行いました。被験者をAとBのグループに分け、架空の女性「ジェーン」に関する1週間の行動を説明します。ジェーンは、ある時は内向的、ある時は外向的と両面の性格を併せ持っています。

 Aグループには、ジェーンが不動産のセールスに向いているかと尋ねます。Aグループの多数はジェーンの外向的な面を思い浮かべ「向いている」と答えました。Bグループには、図書館の司書に向いているかと尋ねます。Bグループの多数は内向的な面を思い浮かべ「向いている」と答えました。その後、各グループに、もう一方の職には向いているかどうか重ねて検討してもらいましたが、両グループとも最初の判断を変えませんでした。

 なぜかというと、被験者たちは、最初の自分の判断に合致する情報を信じ、反する情報は無視したからです。確証バイアスの影響を受け、判断を修正できなかったのです。

 この確証バイアスの浸透に拍車をかけているのが、現代のネット事情です。多くの人が情報収集に利用している大手ウェブサイトは、読者が見たいと思う情報ばかりを表示する仕組みになっています。これはサイトの視聴時間を増やすための方策です。これによって気づかないうちに、自分の考えと同じ情報ばかりと接することになります。

 異なる価値観の情報は遮断されるため、世の中が皆、自分と同じ考えだと勘違いしかねません。現代は、従来の確証バイアスだけでなく、ネットによる確証バイアスにも警戒が必要です。

(マーケティングコンサルタント)

(2021年3月20日号掲載)