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29日〜10月1日に飯綱高原で音楽フェス

枠超えたコミュニティーづくり

長野フォレストビレッジで、アフリンさん(左)と真田さん

 飯綱高原でカフェを営むカナダ人のアフリン・ケイラさん(29)、夫の真田大介さん(41)が中心になって企画したアウトドア・ミュージックフェスティバル「Mori no Koshikake Music&Art Festival」(森のこしかけ)が9月29日(金)から10月1日(日)の3日間、同高原の市有複合施設「長野フォレストビレッジ」を会場に開かれる。「みんなでやる、みんなのための、地域おこし」をコンセプトに、言語や出身、音楽のジャンルの枠を超えたコミュニティーづくりを期待している。

 フェスは、昨年に続き2回目。昨年は、アフリンさんと真田さんの結婚式も兼ね、クラウドファンディングで資金集めをし、実行委員会のボランティアの協力を得て開催。3日間で約1000人が来場した。

 地域に根差し毎年続けられるイベントにしていく方法を模索していた真田さん。労働者協同組合について理解を深め、「組合員一人一人が出資して地域づくりのために主体性を持って活動できる仕組みであることを知り、『これだ』」と思い、今年は、「Koshikake Events(こしかけイベンツ)労働者協同組合」の主催で実施する。アフリンさんが代表理事、真田さんが理事を務める。

 昨年参加した実行委員会のメンバーやアーティストら16人が組合員に。飯綱高原の住人や別荘を所有している人をはじめ、長野市、飯綱町、信濃町に住んでいるか縁のある人たちで、それぞれがチームに分かれて役割分担をし準備を進めてきた。

 アフリンさんは、2019年に来日。飯綱高原に住んでいた真田さんと一昨年から暮らし始め、大座法師池の近くに、アフリンさんが作るハンバーガーがメインのカフェ「こしかけカフェ」を2人でオープン。客のほとんどはリピーターで、同フェスも、カフェがつくった人とのつながりから生まれている。

 カナダで生まれ米国で育ったアフリンさんは幼い頃から孤児院や親戚の家を転々とし、黒人の多いコミュニティーで育った。アフリンさんは偏見にさらされ、いじめにも遭った。「子どもの頃の経験があるから、誰もがありのままを受け入れられるコミュニティーをつくりたい」と強い決意を持っている。

 アフリンさんは、コミュニティーを自身が好きなキノコに例え「フェスの3日間は、キノコでいえば目に見えるかさの部分。成功するかどうかは、目に見えない地下に広がるネットワーク—つまり、1年間を通してつくられる日常のコミュニティーの在り方にかかっている。それを一番大切に思っています」とし、自分にとって「ファミリー」だという、フェスを共につくる仲間たちに信頼を寄せている。

 記事 松井明子

 写真 森山広之


 

Mori no Koshikake Music&Art Festival

 9月29日(金)17時〜、オープニングセレモニー&ジャムセッションを開催。入場無料。

 9月30日(土)は11時〜22時、10月1日(日)は10時半〜17時半の予定でメインステージライブ。

 1日目は、長野市内などを拠点に活動するアーティストが、2、3日目は各地のゲストミュージシャンが出演。2、3日目は飲食やクラフトが約40店舗出店し、このほか有料でマッサージやヨガが体験できる。

 メインステージライブの前売り券は1日4000円。 チケット購入は、イベント管理サービスのウェブサイト「Peatix」または「こしかけカフェ」で。保護者同伴の高校生以下は入場無料。

 (問)こしかけカフェ (メール)mori.no.koshikake@gmail.com


2023年9月23日号フロント

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