4月末から5月初めにかけては大型連休です。これをゴールデンウイークと呼ぶのはもともと映画界の宣伝のために生まれた言葉なので、NHKでは用いないとか。今年はコロナ禍で外出自粛でしたので、一つ一つの祝日名で、俳句でも詠んでみませんか。
名画座の三本立てや昭和の日 原田 紫野
4月29日は「昭和の日」。もとの昭和天皇誕生日が、昭和を思う日となりました。
ねむき子を負ひメーデーの後尾ゆく 佐藤 鬼房
祝日ではありませんが、5月1日は「メーデー」。国際的な労働者の祭典ですが、盛り上がったのはもう昔。例句も既に懐かしい感じです。
憲法記念日天気あやしくなりにけり 大庭 雄三
5月3日は「憲法記念日」。昭和22(1947)年に憲法が施行されたことを記念する日です。護憲・改憲論争の絶えぬ近年、改めて憲法の意義を問いたいものです。
体内の水の流れやみどりの日 和田 悟朗
5月4日は「みどりの日」。一時期「国民の休日」といわれる名もない休みだった日に、めでたく意義が与えられました。新しい祝日で、まだ例句も少ないため、挑戦しがいがあります。
おとなしき馬狩り出され子供の日 佐藤 博美
5月5日は「こどもの日」。子どもの人格を尊重し、その幸福を図る日です。元気に育て!
竹割つて竹の匂ひの端午かな 木内 彰志
また、5月5日はご存じの通り「端午の節句」です。悠々と空を泳ぐ鯉幟(こいのぼり)を見ると、すがすがしい思いになります。
ふるさとの山を盾とす立夏かな 原 裕
さらに「立夏」もこの時期にあたり、今年は5月5日。気象予報士さんが「暦の上ではもう夏です」という、あれです。初夏の気候は、何ともはつらつと、心躍ります。
2021年5月22日号掲載
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