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22 スティービーアワード

  • 6月21日
  • 読了時間: 3分

更新日:6月23日

エコロジー活動認められ ビジネス界の「オスカー賞」

ビジネス女性大賞を受賞した2009年のスティービーアワード
ビジネス女性大賞を受賞した2009年のスティービーアワード

 エコロジーブランド「エコマコ」のビジネス展開が進む中、私は、アジアファッションを世界に発信することを目的に創設された「アジアファッション連合会」に選抜されました。日本のエコロジーデザイナーとして海外各地でファッションショーを展開。岡学園の校長としての仕事はもちろんのこと、超多忙な日々が続くことになりました。


 海外でのファッションショーを重ねるとともに国内外で多くの取材を受け、名前を知られるようになった私は、アジアを念頭に海外展開を考えるようになります。2009年、コーディネーターと契約を結び、ネット販売から動き始めました。「米国で開催される『スティービーアワード』にエントリーしてみませんか」と提案されたのは、そのコーディネーターの女性からです。


 スティービーアワードは、社会貢献活動に積極的な世界中の企業・団体や各界の専門家の業績を評価し、その認知度を高めることを目的に、02年に創設されたアワードプログラムです。ビジネス界の「オスカー賞」とも称される権威のある賞で、毎年70を超える国や地域から数千ものエントリーがあります。私は彼女から聞くまでその賞のことを知りませんでしたが、彼女にエントリーの手続きをお願いしました。


 すると思いもよらず候補に選ばれ、ニューヨークで行われる表彰式の案内状が届きました。「そんな取れるわけでもないだろうし…」と、遠いニューヨークまで行くべきかどうか迷いましたが、姉と2人で行くことにしました。どんな表彰式なのだろうかと思う好奇心と、出席を理由にたまには姉妹一緒に海外旅行も楽しいかといった気軽な気持ちで渡米しました。


国際ビジネスアワード金賞を受賞した2012年のスティービーアワード。中央が私、右は姉
国際ビジネスアワード金賞を受賞した2012年のスティービーアワード。中央が私、右は姉

 タイムズスクエアビルの大ホールで行われた表彰式。各国から集まったそうそうたるビジネス界の名士のいる会場で、テーブルに付き、ワインを楽しみながら結果発表を待ちました。各部門賞が発表されている時に至っても、名前を呼ばれるとは思っていない私たちはワインをグイグイ。


 「マサコオカ・エコマコ」。会場に私の名前が響き渡りました。なんと女性におけるビジネス団体部門1位の「ビジネス女性大賞」を受賞したのです。スピーチを求められ、私はただただ驚くばかりで頭が真っ白に。隣にいた姉が代わりに英語で喜びを語ってくれたことも良き思い出です。


 今後世界に必要なエコロジーファッションの先駆者として先進性とともにファッション性を兼ね備えた商品開発を評価してくださり、「今後も期待しています」とのコメントもいただきました。オーガニックコットン(有機栽培の綿)以外には従来の繊維しかない中で、ポリ乳酸繊維という新しい循環型繊維を使って華やかな洋服に作り上げて展開してきたパイオニアとして、世界各地の女性審査員票を多く獲得したと聞きました。世界から評価していただけたことはありがたく、夢を見ているようでした。


 その3年後の12年、私は再びスティービーアワードに挑戦しました。八つのプログラムのうち、世界中の企業・団体を対象にした「国際ビジネスアワード」に再びノミネートされ、なんと「金賞」を受賞することができたのです。


 最先端のエコロジー繊維素材を使った洋服を世界で初めて開発し、ビジネス展開し続けている点を評価いただけたことは、私の人生の宝物となりました。そして、そんな姿を誰よりも喜んでくれたのは、間近で日々努力する姿を見てきてくれた母でした。

(聞き書き・中村英美)


2025年6月21日号掲載

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