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147 独鈷山

山頂からは360度の展望が

山頂からの上田・東御・小諸方面の眺めと浅間連山

 新緑が美しい5月上旬の週末、上田市の塩田平と丸子町境に連なる独鈷山(とっこさん=1266メートル)に登った。この山に登るのは3回目。今回は西前山から上り、初めて沢山湖へ下った。

 塩田平の南側に峨峨たる山容を見せる独鈷山は古くからの信仰の山だ。珍しい山名は、弘法大師が独鈷という仏具を山頂に埋めたという説や、修験僧が仏敵に立ち向かう際に使った両端のとがった独鈷に似た鋭い岩峰がそびえ立つことからのようだ。

 山仲間4人が2台の車に分乗して8時半過ぎに長野市内を出発。長野インターから上信越道を走り、坂城インターで降りて千曲川を渡り塩田平へ。

 カーナビを頼りに、まず下山口の沢山湖の近くに1台の車を置き、もう1台に4人が乗って西前山の登山口へ。中禅寺近くの虚空蔵堂の上に駐車スペースがある。


上田市内から望む独鈷山東西6キロに連なる

 歩き始めると、すぐ「頂上まで100分」の標識。このコースは10分ごとに看板が立っており親切だ。「90分」標識の近くに不動滝があるはずだが、水が枯れていたせいか気付かないまま通過した。

 うっそうとした杉林の中を進むとニリンソウの白い花が目を引く。花が終わったヒトリシズカも群生している。縄が巻かれた石神様にも出合う。

 さして広くはないが、「広場」といわれる場所で休んだ後、「頂上まであと60分」の看板。この辺から急登が始まる。気合を入れてジグザグの斜面を登って行くと、胸突き八丁の急坂に。ロープにつかまって体を持ち上げる。

木製の祠のある頂上

 「あと20分」の標識を過ぎると岩稜のピークに出た。「展望台」と呼ぶ場所だ。北側に浅間山から四阿山にかけての山並みがよく見えるが、足元は切れ落ちている。

 やがて山頂直下の分岐に達し、「あと3分」に励まされて山頂に。西側には白い北アルプス。南には美ケ原や霧ケ峰、東には蓼科山が。360度の眺望を楽しみながら昼食に。

 下山路の沢山湖コースに入ると、いきなり急斜面を横切る。靴の置き場に困るような狭くて滑りやすい踏み跡を、肝を冷やしながらたどる。その後も大岩の横を巻いたり、岩の間を抜け倒木を越えたりする。

 このコースはあまり人が歩いていないせいか、登山道が分かりにくい。下降点を過ぎ、谷間に入ると落ち葉の吹きだまりとなり、道が埋まっている。所々、立ち木に結わえられた赤布(あかふ)を頼りに下る。

 沢の音が聞こえるようになった頃、同行のKさんが「山菜の女王」といわれるミヤマイラクサの群生を見つけて採り始めた。アイコとも呼ばれ、東北では珍重されているようだが、葉の表面まで針があり採りにくい。

 2時間コースを3時間ほどかかって下りきった。遅くなるため帰りに予定していた温泉入浴は諦め、真っすぐ長野へ戻った。

 横内房寿


2024年5月25日号掲載

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