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13日に「第38回長野空襲を語る集い」

「若者も協力して」「力振り絞って語る」

 長野空襲を語り継ぐ会は8月13日(日)、「第38回長野空襲を語る集い」を開く。長野空襲を体験した人のほか、長野空襲を未来に残す活動をする若者が体験談や活動経過を発表する。

 「善光寺下の大門町から長野駅までの中央通りに防空壕が15カ所ほどあった」と話す北沢理一さん(91)。旧制中学1年だった1945年5月、沖縄戦終結後の、本土決戦に備えて防空壕を造るために駆り出された。スコップやつるはしを使って手掘りをし、6月末に完成、その1カ月半後の8月13日、長野空襲に遭った。「ウー・ウー・ウーと3回、空襲警報が鳴り響いた。みんな防空壕に逃げ込んだけれど、俺は入らなかった。なぜか? それは当日話す」。自身も含め、戦争体験者の高齢化は気になるとし、「力を振り絞って、空襲や戦争の惨状を語りたい。特に若い人には、(近代の)歴史を多面的に学ぶきっかけになれば」と、参加者の心に刺さるように発表の内容を練っている。

 松代町出身の若林準也さん(22)=東京=は、同会の世話人を務め、大学生だった2年前には公式サイトを開設した。ネットでの若者の反響や、「平和のバトンをつなぐために若者ができること」をテーマに発表する予定だ。

 若林さんは、中学3年生の時に出た英語弁論大会で松代大本営や長野空襲についてスピーチしたのが縁で同会に参加。「集い」には後輩を誘い、若者の参加者も徐々に増えていった。

 同会発足の発端は38年前の裾花中学校での平和学習。「サイトが立ち上げられたのも、当時の中学生たちが、死者数など埋もれた事実を丹念に調査した資料があったから。私はそのバトンを受け取った。今度はそのバトンを未来に託さなければ」と若林さん。同会や「集い」の存続に向け、「まずは若者が関心を持てるようにサイトの内容を充実させ、資料の映像化や戦争体験者の生の声を残していきたい。そのためにも若者の協力者がほしい」と訴える。

 ほかに石沢正さん(82)の体験談や、参加者によるフリートーキング、38年前、裾花中学の生徒で平和学習に携わった田畑好崇さんがメッセージを寄せる予定。緑町の市ふれあい福祉センター5階ホール。9時半から11時半。入場無料。

 (問)長野空襲を語り継ぐ会・伝田豊美☎︎090・5550・6695

 記事・写真 斉藤茂明


2023年8月5日号フロント

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