122 角間山

眺望と静かな山を楽しむ

北から南まで一望できる北アルプスの山並み

 小春日和となった11月中旬の日曜日、山仲間5人で群馬県嬬恋村の角間山(かくまやま)(1981メートル)に登った。眺望がよい割に訪れる人が少なく、静かな山歩きを楽しめる。

 湯ノ丸山(2101メートル)から北へ延びる県境稜線を群馬県側に入った尾根上にある。西側には上田市北部の角間渓谷や角間温泉が。以前は角間川沿いの登山コースもあったが、今は廃道になっている。

 7時に長野市内を出発。上信越道松代パーキングエリアで同行の2人と合流し、東部湯の丸インターで降車。東御市側から百体観音の石仏が点在する県道を湯の丸高原へ向かう。

県境の地蔵峠を越え、旧鹿沢温泉の「雪山賛歌」発祥の宿近くの駐車場に。九十九番観音の石仏がある登山口を9時前に歩き始める。

 朝方は冷え込んだため霜柱を踏みしめながら、幅広のよく整備された道を進む。間伐の行き届いたカラマツ林を過ぎると一面、シラカバ林に。既に葉は落ち、白い幹だけが林立する光景に目を奪われる。樹間越しに湯ノ丸山の大きな姿が。

葉をすべて落としたシラカバ林の白い幹が美しい

 牧場コースとの分岐を過ぎると登山道はなだらかになり、ほどなく角間峠に。ここから角間渓谷へ通じていた道の入り口には、廃道を知らせる看板がササやぶに埋もれていた。

 峠にある立派なあずまやで一休みした後、角間山への登りに入る。ササ原の中の快適な道を緩やかなターンを繰り返しながら登る。振り返ると、湯ノ丸山の右肩に烏帽子岳の姿が。

 前方に角間山のピークが見えてくると、間もなく岩場となる。大きな石を何度もまたぎ、短い鎖場を越すと山頂に。ここまで2時間足らず。露岩が重なる頂上からは360度の眺めが広がる。

 東側には、間近に浅間山。前掛山の先の火口からは白い噴煙が上がっている。東南には八ケ岳。その右手には遠く富士山も。

山頂から間近に見える浅間山。火口から白い噴煙も

 南には、どっしりとした湯ノ丸山と、山頂部がとがった烏帽子岳。西側には雪化粧した北アルプスの山並みが連なる。北の白馬三山から南の乗鞍岳や御嶽山まで一望できるのは、距離がある山だからこそなのだろう。

 北側には、眼前に四阿山と根子岳。菅平の牧場もよく見える。眼下には嬬恋村の野菜畑が広がり、その先には上州の山々が。

 30分ほど景色を堪能して、11時には下山へ。角間峠のあずまやで昼食にし、帰りは分岐から牧場コースを下る。牛止めの柵を通り、快適な芝道を進むとまたあずまやが。牛に入られないように木の柵で囲ってある。

 さらに下方の草原が広がるコンコン平から、あずまやの脇を下って行くと県道沿いの駐車場に出た。帰途、国民休暇村の温泉に立ち寄り、菅平越えで長野へ。いつもより早く16時前には帰宅した。

 横内房寿


2021年12月4日号掲載