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F1(R)/エフワン

  • 7月5日
  • 読了時間: 2分

=2時間35分

長野グランドシネマズ(☎︎050・6875・0139)で公開中

(C)2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. IMAX(R) is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories

ピード感マックス 没入型カーレース映画

 ブラッド・ピット主演の「F1(R)/エフワン」は、伝説のF1レーサーと、スピードに魅せられた人々を描いたエキサイティングなレーシング映画だ。

 かつて天才と呼ばれながら表舞台から姿を消していた伝説の元F1(R)レーサー、ソニー(ブラッド・ピット)がレースに戻ってきた。旧友のルーベン(ハビエル・バルデム)がオーナーを務める最弱チームを立て直す依頼を引き受けたのだ。型破りなソニーの振る舞いにチームのメンバーたちは反発するが、百戦錬磨のソニーの的を射た作戦が成功し、次第にチームは一丸となって命懸けのレースに挑んでゆく。


 チームに関わる大勢の人々。それぞれの人生が絡み合い、ドラマを盛り上げる。男だけに見えるレース界で、エンジニアとして存在感を発揮する有能な女性をしっかりと描いているのも現代ならでは。サーキット場の状態でどのタイヤを使うのか、その判断が大きな影響を与える。わずか数秒でタイヤ交換するピットクルーたちの神業は、チームワークが示されるシーンだ。


 見逃せないのが本物のマシンで、時速300キロ以上で走りながら撮影したというレースシーン。監督が「トップガン マーベリック」のジョセフ・コシンスキーとくれば、スピード感マックスの興奮は息をのむほど。リアルさを追求したという映像から伝わる、エンジン音と衝撃波は、まるで自分がその場にいるような臨場感に満たされる。


 ブラッド・ピット自らグランプリ開催中のサーキットを、プロのF1(R)ドライバーたちに交じり走行したというのも驚きだ。それだけに一発勝負で撮影されたシーンの緊張感が半端ない。


 俳優自ら参戦して撮影されたカーレース映画の名作に、スティーブ・マックイーン主演の「栄光のル・マン」(1971年)がある。スクリーンをカット割りして多方向を一気に見せる画面を見たときのあの興奮がよみがえる。


 世界各地で開催されるグランプリシリーズを実際に巡り、撮影が行われたという。その中には日本の鈴鹿サーキットも。エネルギーとパワーを全身で体感する、まさに没入型カーレース映画だ。

(日本映画ペンクラブ会員、ライター)


2025年7月5日号掲載

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