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駄菓子屋は人生の次なるステージ

松代町の中村美恵子さん

「だがし家らそ」の店先で取材に応える中村さん
つながり深める媒体に

 「駄菓子を買いに、ご飯を食べに。老若男女誰もが気軽に寄れる地域のよりどころのような場所にしていきたい」。松代町松代の祝神社から西に徒歩30秒ほど。12月1日、オープンした駄菓子店「だがし家らそ」の代表中村美恵子さん(71)は、お祝いに訪れた人たちを前に笑顔であいさつした。

「第1号」の客。「笑顔で迎えてくれる温かい場所が松代にできてうれしい」

 中村さんは長崎県生まれ。長野県内の短大を卒業後、県職員となり駒ケ根市の知的障害者総合支援施設に5年間勤めた。1977年結婚を機に退職、以来夫の実家がある松代町で暮らす。3人の子育てをしながら、34歳で再就職。精神保健福祉の現場の仕事に就き、現在は千曲市の障害者・児の相談支援施設で働く。

 長く仕事に携わる中で、中村さんが一番大事と感じたのは「誰もが地域で安心して暮らし続けられること」だった。

 今年5月、自身が立ち上げから関わり所長も務めた松代町内の精神障害者向け施設が町外に移転した。これを知った昨年秋、行き場を失った人の「居場所」になればとの思いもあり、自身の人生の次なるステージとして、温めていた「地元で駄菓子屋を開く」ことを決めた。

 今春からは家探しを始め、5月には、いっしょに活動する仲間10人で「らその会」を発足。「らそ」はスペイン語で「絆」の意。中村さんが名付けた。


「どれにする?」。楽しそうに駄菓子を選ぶ親子

 店舗は2階建ての1階部分で広さは18畳ほど。1個10円のキャンディーや風船ガムから、50円の「カンパイラムネ」、「ココアシガレット」、小学5年生の孫のアドバイスで仕入れた150円の「ディズニーシャボン玉ペンダント」など約70種類を並べる。地域の人や社会福祉施設などでの手作り品や季節の地場産野菜のコーナーも設けた。今月中には、薄焼きや豚汁など軽食の提供も始める。1階店舗奥の2部屋と2階の2部屋はフリースペースとして活用。季節に合わせたイベントも開き、来年には子ども食堂を開く計画も進める。


オープン初日、集まった人と記念のじゃんけん大会を開いた

 「日常的に地域や人とのつながりを深める媒体になれたら、心が豊かになり誰もが安心して生きていかれるのでは。人に、地域に、未来につながる気持ちを育んでくれる人と出会って店が続いていくと良い」と中村さん。子どもも大人も、ここが心安らぐ一人一人の居場所となることを願っている。

 12月16日(土)13時半から15時まで、サンタやトランプの手品師が参加する「クリスマスお楽しみ会」を開催。入場は無料。

 「らそ」の営業は木、金、土曜の11時から18時。

 (問)中村☎︎090・7280・0131

 記事・写真 中村英美


2023年12月9日号フロント

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