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「香害」の実情をもっと知って

長野市の母親ら「考える会」立ち上げ

「考える会」の今後の活動について話し合う(左から)大石茜さん、関まい子さん、宮坂久美子さん
市に要望書提出 対策働きかけ
学校生活で悩み抱える子どもも

 洗剤や柔軟剤、除菌剤、消臭剤、香水などに含まれる強い香り成分(化学物質)に反応し、体調を崩す子どもの母親らが「長野市香害を考える会」を立ち上げた。交流サイト(SNS)で、「香り」が原因で体調を崩す「香害」の実情を多くの人に知ってもらおうと情報を発信するとともに、市に要望書を提出し、香害対策を行政に働きかけている。

 会のメンバーは、代表の関まい子さん(39)ら、自身や子どもが香害に悩んでいる市内在住の4人。

 関さんの小学5年生の娘は、ほかの児童らの服から出る洗剤や柔軟剤などの香りが気になって授業に集中できなかったり、給食を食べられなかったり、香りをかがないように休み時間は一人で過ごしたり—と、希望する学校生活を送ることができず、体調不良を起こして学校を休みがちになった。関さんは担任の先生らと相談し、子どもは空き教室でオンライン授業を受けるなど、学校側と協力し、対策をとった。

 同会は、香害が十分に認知されていない実情についてもっと多くの人たちに知ってもらいたいと昨年10月に結成。同月、荻原健司・長野市長に香害に関する要望書を提出した。



 要望書では、▽香害や化学物質に対する認知▽小中学校や園に通う家庭に配慮を促す通知▽公共施設でのポスター設置や広報誌による啓発▽公共施設や病院、教育機関などで安心して使用できる洗剤などの設置—を訴えた。市長には、自分自身やわが子の体験を基に、香害について感じ悩んでいる当事者の思いがあまり知られていない現状と要望を伝えた。

 要望書を提出後、香害対策の動きを感じ取ったという関さん。「市内の公民館に啓発のポスターが貼られていた。保育園の園だよりに香害についての記載があったなど、少しずつ行政も動き出してくれたのではないか」と言う。

 会は、SNSで情報発信する中で各地の香害で悩む人たちと交流。オンラインの講座にも参加し、香害に対する知識を共有している。香害は人間だけでなくペットにも影響があり、香料に使われる材料には環境へ害が及ぶ恐れがある物もあるなど理解も深めてきた。関さんは、「これからもっと多くの人に香害の実情を知ってもらうために、会では勉強会などを計画している。誰もが暮らしやすい長野市を共に考えてほしい」としている。

 記事・写真 児玉望


2023年1月21日号掲載

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