住民票や印鑑登録証明書など取得申請 オンラインで

除雪車の進行状況もリアルタイムで
DXを積極的に推進
飯綱町は、デジタル技術を使って町民の生活を便利にしたり、行政運営を効率化したりする「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」を積極的に進めている。その一環で1月、町公式のスマートフォンアプリの運用を始め、町民が住民票や印鑑登録証明などの証明書の取得をオンラインで申請することができるようになった。

公式アプリ「iなび いいづな」では、防災情報などの町民へのお知らせが役場から随時届くほか、ごみの捨て方を質問すると人工知能(AI)が返答する分別ガイド、町内の施設案内などを見ることができる。
オンライン申請は、マイナンバーカードを持っている人が対象。スマホでどんな証明書が必要かを指定して送信すると、後日郵便で送られてくる。発行手数料はクレジットカードや電子マネーで決済される。
証明書などを役場窓口で受け取る場合も、申請書に記入する必要がなくなった。窓口職員に口頭で伝えると請求した文書が手元のタブレット画面に表示され、内容を確認して画面にタッチペンで署名すれば交付される。職員は「便利さを実感してほしい」と話す。

町内では本年度、16カ所に「LPWA中継局」の設備ができた。LPWAは、低い消費電力で長距離の通信ができる無線通信技術。電源のない所などに設置したセンサーが感知した情報を、中継局などを介して数十キロ離れた所へ送ることができる。
現在行っている実証実験では、河川の水位や積雪量など、人がいない場所の状況をスマホなどで常時監視できるようにしている。獣害対策で設置したわなに獣がかかったことや、出動中の除雪車がどこまで除雪を終えたかなどの情報も、離れた場所からリアルタイムで知ることができるようになった。いずれは町民が水田の水位管理や高齢者の見守りなどにも利用できるようにするという。
将来、町の人口は減少し、役場職員も減ることが避けられない。役場企画課のDX推進室長・笠井竜介さん(46)は「職員が減っても住民サービスの質を維持していかなければならない。DXによって、限られた人員や財源の中でも持続可能なまちづくりを進めていく」と話している。
記事・写真 竹内大介