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「非日常の別世界」撮り続けて

信州新町の清水俊男さん 90歳の山岳写真展

これまでの登山を回顧しながら、作品の説明をする清水さん

 30代から80歳まで半世紀にわたって山に魅せられて写真を撮り続けてきた信州新町のカメラマン清水俊男さん(90)の山岳写真展が信州新町美術館市民ギャラリーで開かれている。清水さんが山行で撮りためてきた142点を展示紹介。「写真を通じて山の魅力にふれてもらえたらうれしい」と笑顔で話す。

 清水さんは美術館隣にある電器店「清水電器」の代表。1960年代半ば、30代前半の頃、当時盛んだった学校の集団登山にならって、地域の高校が目的地としていた白馬岳に登った。この時の「感激」が忘れられず、以降、本格的に山登りを始め、北アルプスを中心に、中ア、南ア、八ケ岳、北信五岳など県内を中心に山行を重ねてきた。40代で地元山岳会「新町登高会」に参加。仲間と共に登山技術を磨き、整備された一般登山道とは異なる、より登攀(とうはん)が困難なバリエーションルートを登る力を身に付けた。それから80歳で登山をやめるまでは専らバリエーションルートを好んで登るようになった。

 一方、20代の頃から地元の写真愛好家のグループ「新町写友会」の会員としても活動。山行には必ずカメラを携え、目の前に広がる雄大な山のさまざまな姿を「熱中して撮ってきた」。

 「信州の山岳及び大町扇沢から立山黒部アルペンルートの山、剣岳までの山域にわたる写真展」と題した今回の展覧会では、50年に及ぶ登山歴の中で、最もあこがれて300回以上は登ったという北アルプスの立山・剣岳と槍ケ岳・穂高岳の山域を写した作品を中心に展示している。

 「大日岳雲間に浮かぶ」は、4月中旬、北ア立山のみくりが池から、朝焼けに神々しいまでに浮かび上がる雪の大日岳を写した作品。「雄山登攀のパートナー」は、険しい岩場をザイルをつないで登っていく仲間を写した、清水さんが好きなカットだ。北穂高「滝谷ドーム・ブロッケン」は、霧に映った自分の影の周りに虹色の光の輪が見えるブロッケン現象を収めた。

 「山は自分にとって非日常の別世界。行けば行くほど名前の付いたその山となじみになれるような気がしていた」と山への熱い思いを振り返る清水さん。「季節や気象、光の具合でまるで違う山の表情を大勢に楽しんでほしい」と写真展への思いを込めた。

 新町登高会が、70年代から2010年代まで実施してきた町民登山の記録写真も展示している。

 6月16日(日)まで。月曜休館。開館時間は9時から16時半(最終日は12時まで)。入場無料。

 (問)同美術館☎︎262・3500

 記事・写真 中村英美


2024年6月1日号フロント



写真=これまでの登山を回顧しながら、作品の説明をする清水さん

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