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長野美術専門学校の学生ら「大絵馬」制作へ

昨年の水内大社・御柱祭を描く

長野美術専門学校サテライトキャンパス前で、小林玲子さん(左)と松本直樹さん
来月13日「描き初め式」、今秋奉納の予定

 長野美術専門学校(中御所)でファインアート(純粋芸術)を学ぶ学生たちが、箱清水の健御名方富命彦神別神社(たけみなかたとみのみことひこかみわけじんじゃ)(=水内大社)に奉納する大絵馬を描くプロジェクトが進められている。5月13日(土)13時半から、岡田町の同校サテライトキャンパスで開催される、長野クリエイティブハブ発足式典のメインイベントとして、一般公開の「描き初め式」を行う。

 その後は授業の一環として同キャンパス1階のオープンスペースで制作を続け、県立美術館(箱清水)に展示後、秋に奉納する予定。

 大絵馬を制作する様子は平日やオープンキャンパスの10時から17時まで自由に見学できる。大絵馬は横3.5メートル、縦0.9メートル。絵柄は昨年行われた水内大社の御柱祭の様子を描く。


前回の水内大社・御柱祭で長野美専生が描いた大絵馬(小林さん提供)

 御柱祭は善光寺ゆかりの妻科神社、武井神社、湯福神社と7年目ごとに持ち回りで行っており、水内大社では昨年が24年ぶり。前回も同校学生が御柱祭の様子を大絵馬に描いたのを知った長野郷土史研究会の小林玲子副会長が、同校に協力を依頼したのがきっかけ。昨年11月、小林さんを代表とした水内大社大絵馬プロジェクトが発足。大絵馬の板となる杉の木や神事の執り行いなどの手配を行い、準備を進めてきた。学生らは制作の資料として昨年の水内大社の御柱祭を撮影した。

 御柱祭の行列を大絵馬に描くことは全国的に珍しく、小林さんは「若い、美術を学ぶ人たちが大絵馬の制作をきっかけに地域行事に参加する楽しさを知ってもらえたらうれしい」と歴史や伝統の継承に期待を寄せる。

 同校で大絵馬の制作を指導する松本直樹副校長は「自分の得意分野を生かして地域文化をつくっていく経験はとても貴重。学生の『自信』になるはず」と話す。

 同プロジェクトは寄付金を募っており、1万円以上の寄付者は大絵馬の裏に名前を明記する。

 (問)長野美術専門学校(大絵馬担当)☎︎227・3229

 記事・写真 斉藤茂明


2023年4月22日号フロント

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