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長野日大中学高校 コンビニ開業2カ月

  • 6月7日
  • 読了時間: 3分

更新日:5 日前

生徒自ら運営に関わり 「売る側」の経験 新たな成長へ

ニチディーの売れ筋商品を前に、お気に入りの商品を手にする(左から)出さん、田中さん、伝田さん、宮島さん(宮島さん提供)
ニチディーの売れ筋商品を前に、お気に入りの商品を手にする(左から)出さん、田中さん、伝田さん、宮島さん(宮島さん提供)
 「廃棄」少なくする工夫も

 長野日大中学・高校に、生徒自らが運営に関わるコンビニが開店して2カ月がたった。昼休みには昼食などを買い求める生徒でにぎわっており、学内コンビニ委員会の生徒らは、利便性の高まりに寄与できたことを喜びつつ、「売る側」に立つことによる経験から新たな成長を感じている。


 山崎製パン(東京)が展開する小売店「ヤマザキショップ(Yショップ)」の店舗として運営するが、レジに立ったり、商品を仕入れたりするのはすべて生徒か学校職員が行う。


 弁当、飲み物、菓子類、文房具など、通常の商品のほか、同校のロゴ入りのオリジナルポロシャツや応援グッズなども扱っている。


 コンビニの名称は「Nichidy(ニチディー)」。日大のニチとデイリーを組み合わせ「日大生の日常に寄り添う」意味を込めた。名付けたのはいずれも中学2年の出愛梨さん、田中琴彩さん、伝田陽菜さん、宮島由美子さん。


 4月のオープンから3日間程度は珍しさからいろいろな商品がよく売れたが、やがて「赤字状態」になるように。日頃からの買い物を「何も思わないで買っていた」(伝田さん)ため、どのような商品が中高生に支持されるか分からなかったという。やがて「ジッパー付きの袋の商品がよく売れる」「3色団子やようかんなどの和菓子も人気」(宮島さん)など、売れる商品も分かってきた。


昼休み、多くの生徒でにぎわう「ニチディー」の店内
昼休み、多くの生徒でにぎわう「ニチディー」の店内

 課題となったのが、コンビニなど食品を扱う店舗では避けて通れない「廃棄」の問題。売れると思って仕入れた商品が廃棄となる場面に直面して心を痛めたという。それに対して「少しでも廃棄を少なくする工夫を考えた」(出さん)結果、手に取ってほしい商品を店舗入り口に目立つように置いたり、「じゃんけんで勝ったら揚げ物50円引き」セールを企画したり、少しでも多くの商品を購入してもらえるよう取り組んできたという。


 レジ打ちなど、店の側に立つことにより「社会勉強」した生徒も。田中さんは初めてレジに立った時、「〇円です」「ありがとうございました」といった声かけができていないことに気づいた。「いざ自分でやってみると、レジ打ちで頭がいっぱいだった」と振り返った。


 昨年度まで同校に購買部はなく、昼食などを購入したい生徒は、昼休みに学校に来る弁当店を利用していた。そこで学校側が呼び掛けてコンビニ開業に向けたプロジェクトを始動。生徒たちが会議を重ねて店名や販売する商品、売り場の管理などを話し合ってきた。学校によると、「学校を楽しいものに」との目標は達成できつつあるものの、一部生徒による歩きながらや授業中の飲食など、新たな課題も見つかった。生徒たちがこのような問題にどのように向き合うか。コンビニは新しい課題も与えてくれた。


Nichidy (ニチディー)の売れ筋商品

(1)揚げもち

(2)しっとりメロンパン

(3)蒲焼(かばやき)さん太郎

(4)ハッシュドポテト

(5)忍者めし・巨峰味

(6)忍者めし・ラムネ

(7)板チョコアイス

(8)午後の紅茶・レモンティー

(9)グミエッグ

(10)ピノ(アイス)


(1)は、少しおなかがすいた時に手軽に食べられる、串に刺さっていて食べやすいので売れている

(5)(6)(9)のグミ系はジッパー付きの袋が多いので 「保存しやすい&少しずつ食べられる」 のが支持されている


記事・写真 吉村英樹


2025年6月7日号フロント

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