11月13日〜17日 駅ビルで「館外展示」
長野日大高生と共に企画練る 若い世代にもアピール
長野市公文書館のことを多くの人に知ってもらい、利用促進につなげたい—。同館は11月13日(水)から17日(日)まで、公文書館の仕事や活動、収蔵資料について伝える「館外展示」を、長野駅ビルMIDORI3階のコミュニティースペース「りんごのひろば」で行う。具体的な展示内容を考える企画委員会に、今回初めて長野日大高校探究創造学科の1、2年生5人が参加。9月から同館職員らと共に高校生の視点を織り交ぜた展示づくりを進めている。
市公文書館は「歴史的に重要と判断された文書を収集、保管、公開」する施設として2007年に城山分室内に開館し、19年に現在の若里分室へ移転、開館した。現在、1992年から2004年までの長野市誌編纂(へんさん)事業の過程で収集した資料をはじめ、市役所文書や旧役場文書、市内の商家や庄屋などの近世の古文書、行政刊行物、図書、地図や絵図、写真など約19万点に及ぶ資料を所蔵。一般に公開している。
同館が城山にあった頃は、自治体誌や区誌を作るのが盛んだった時期と重なったこともあり、年間の来館者数は1000人前後で推移、15、16年度は1400人を超えた。若里移転後、コロナ禍の21年度は581人、翌22年度は回復したものの704人だった。こうした中、新たな世代の利用者を開拓したいと、公文書館のPR展示を計画。展示内容や説明を高校生と一緒につくり上げることで、より若い世代の人たちに関心を持ってもらおうと考えた。
展示企画委員会では、担当職員が「市公文書館の紹介」と「中央通り拡張100年〜大正から昭和の長野市」の二つのテーマと展示内容の原案を提示。これを基に両者で意見交換を重ねて、成案を作成、最終案を確定するかたちで展示物を作っている。
公文書館の紹介では、高校生が、キャラクターを登場させてQ&A形式で文章を作ることや、それをラインのようなレイアウトで見せることなどを提案。100年前の中央通りを地図と写真で紹介する展示では、自分たちが気になった場所や建物、店などをピックアップ。当時の町の中心地にあった長野監獄や2代目長野駅舎などを取り上げ、分かりやすい説明文をつけた。
「公文書館を知らない人が多いと思うので、同じ世代の人に少しでも興味を持ってほしい」と2年生でプロジェクトリーダーの竹内瑠里巴さん。同館専門主事の竹内久隆さん(64)は「公文書館がどんなことをしていて、どんなものがあるかを少しでも多くの人に知ってもらい身近なものになったらいい」と期待を込める。
展示は各日10時から16時。最終日の17日は13時半から15時半まで会場で展示説明会を開催。職員が公文書館について、長野日大高生が写真展示についてクイズなども交えながら説明する。
記事・写真 中村英美
2024年10月26日号フロント