top of page

農業を職業にしたい人集まれ

長野でフェア 農業法人などブース出展

農業法人などがブースを出展した「県農業法人等就業フェアin長野」の会場
農業法人などがブースを出展した「県農業法人等就業フェアin長野」の会場
まずは体験してみるところから

仕事の内容や雇用条件など説明 

 農業法人や農家と、〝会社員〟として就農を希望する人を結びつける「県農業法人等就業フェアin長野」(県など主催)がこのほど、長野市内で開かれた。県内31の農業法人などがブースを出展。訪れた就農希望者に仕事の内容や雇用条件について説明した。


 飯綱町の山下フルーツ農園は初めての出展。正社員とパート・アルバイトを若干名ずつ募集した。リンゴを6ヘクタール、コメと桃を各1ヘクタール程度栽培している。従業員14人のうち10人がパート・アルバイトだ。代表取締役の山下絵里さん(41)は「スタッフの年齢も上がってきているので、やはりある程度人がいたほうがいい」と話す。地域内にも耕作されなくなった園地が増えてきているといい、「今後独立して農業を始めようとする人の育成も考えている」とした。


 求人情報のフリーペーパーを見て、須坂市から来た20代後半の女性がさっそくブースを訪れた。「昔から有機農業に興味があり、正社員で働けるところを探している」と話す女性に、山下さんはタブレット端末を示しながら仕事内容や雇用条件などを説明していた。


 近くには、同じ飯綱町の丸茂(まるしげ)ファームもブースを設けた。代表の小林茂和さん(52)によると、ここ数年、連続して出展しているが、まだ新たな従業員の採用には結びついていないという。「忙しい時には人は欲しいが、資材も燃料も高騰して一般企業と同じ給料は出せない。いい出会いがあればいいが」と今後に期待を寄せた。


農作業の内容や毎日の生活の様子を説明する平塚章充さん(中央奥)
農作業の内容や毎日の生活の様子を説明する平塚章充さん(中央奥)

 フェアでは、すでに会社員として農業法人で働いている〝先輩〟が、実際の仕事内容や日々の生活について説明する「セミナー」も開かれた。


 佐久市でカボチャや玉ネギなどを栽培するJ'Pumpkin(ジャ・パンプキン)に就業して6年目の平塚章充(あきみつ)さん(29)は埼玉県出身。農業大学を卒業して、一度同県内の農業法人に就職したが「ただの労働力として扱われ、上司の説教に体力的、精神的に追い詰められ」4カ月で退社を決意。ジャ・パンプキンに再就職した経歴を持つ。玉ネギ栽培や牛の飼料生産、草刈りの責任者としてやりがいを感じているという。農繁期は早朝から仕事をすることもあるが、その分早く終わり、1月~2月は週3日の休みがあると話した。


 農業法人への就業を考えている人たちに対し、小林さんや平塚さんらは「興味を持った法人や仕事内容を見つけたら、まずは体験してみるところから始めてほしい」と、仕事が長続きする秘訣を紹介した。


 フェアは2008年度から開かれている。本年度は長野市と伊那市の2会場で開催。延べ70人が訪れた。昨年度も2会場で開催し、14人の就業に結びついている。

記事・写真 吉村英樹


2025年2月1日号フロント

 © weekly-nagano  All rights reserved.

bottom of page