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身近なことから環境教育・啓発

NPO「みどりの市民」

西山淡竹会による竹パウダー作りを見学する「るるネット」会員
社会全体の環境意識を高める

 親子で川遊びを楽しみながら自然とふれ合う場を提供したり、遊休農地を利用し、農作物を作ったり。海ごみ削減を訴えるドキュメンタリー映画の上映支援も。

 「NPO法人みどりの市民」(高木直樹代表)は、環境教育・啓発など幅広い活動を企画・運営している。事務局長の渡辺ヒデ子さん(74)は「大切なのは市民と事業者、行政が一体となり、社会全体の環境意識を高める取り組みであるかどうか」と話す。幅広い活動もこの基本理念に集約される。


生ごみ減量アドバイザー養成講座で段ボール堆肥の作り方を説明する講師(手前)

 現在、長野市の委託で生ごみを減量・堆肥化する知識と技術を学ぶ「生ごみ減量アドバイザー」の研修会の企画、運営を行っている。修了者はアドバイザーとして登録され、市内の学習会などで生ごみ減量の普及を図っている。


会員宅に竹パウダーを配達し、代わりにできた堆肥の回収作業をする関係者(写真はいずれも「みどりの市民」提供)

 福祉団体や地域のグループと協力しているのが「どんぐり・るるネット」の活動だ。市民などが参加する「るるネット会員」が家庭で出た生ごみを段ボールコンポストで堆肥化し、福祉団体などの畑で使い、野菜を栽培する。堆肥化に使う基材の竹のチップとパウダーは西山地域の竹林整備をする「西山淡竹(はちく)会」が用意する。2018年から始め、15軒だった会員は現在64軒。数年後には百軒に増やしたい考えだ。「段ボール堆肥」を定着させる方策を探す中で、このネットワークを作り上げた。「堆肥にして利用すれば生ごみも資源。身近なことからできる環境活動です。今の私たちのミッションと捉え、大きく育てて、市や事業者にバトンタッチできれば」と話す。


2019年、ビッグハットで行われた「エシカルふぇす」の「リユース食器」のブース

 7月29日(土)、長野市役所西側広場(桜スクエア)で開催される「エシカルふぇす」では、エシカル(環境や人権に配慮した)商品の販売や活動の紹介が行われる。みどりの市民

が事務局となっており、渡辺さんが長く実行委員長を務めてきたが、今年は県立大学の学生に譲った。「『エシカル』な商品や取り組みは若い人たちの関心が高いので期待しています」と、新しい実行委員長の下でのイベントを楽しみにしている。

 (問)みどりの市民☎︎269・5092

 記事 斉藤茂明


2023年7月8日号フロント

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