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「趣味で始めた」トレイルランニング 大舞台 海外の大会に挑む

信濃町の沢田由紀子さん 45歳

「きつい練習を続けていると、少しのことでは負けない気持ちが育つ」と話す沢田さん
家事・仕事・練習—すべてに「全力投球」

米欧の最高峰の大会への出場目指す

 信濃町の沢田由紀子さん(45)は、ポルトガルで10月に行われたトレイルランニング(トレラン)の大会に出場した。40歳を前に「趣味で始めた」トレラン。家事に、仕事に、練習に—と、すべてに「全力投球」で臨む沢田さんは、トレランの大舞台に挑み、経験から得た自信を糧に、世界最高峰といわれる大会を目指して一層のトレーニングに励んでいる。

 沢田さんは、10月26日から30日までポルトガルで25カ国の男女91人が出場した「ゴールデントレイルナショナルシリーズ(GTNS)グランドファイナル」に出場。日本女子代表3人のうち最年長選手として、5日間で105キロを走破し、オープンカテゴリー個人で29人中14位、団体4位の成績を残した。

 宮崎県出身。防衛大卒業後、北海道千歳市の陸上自衛隊に10年間勤務した。整備大隊の所属で「訓練で体は動かしていたが体を鍛えることに強い関心があるわけではなかった」という。

 結婚と出産、退職を経て12年前に信濃町に移住。38歳の時に、健康のために始めたジョギングを機に、トレランの練習会に参加したことが新しい扉を開くきっかけになった。

 「私より年齢が上なのにすごいスピードを出して走る強者たちとの出会い」が、やる気に火をつけた。登りでは体の背面の筋肉を使い、下りはその筋肉を休ませながら走るなど「体の使い方を考えながら走るのが面白い。自分の知らない世界があると感じた」という。


ポルトガルで行われた世界大会で走る沢田さん=本人提供

 家族は夫の元久さん(65)、長男穂高さん(17)、次男岳志さん(12)。長野市内の保険会社で正社員として勤めながら、毎朝1時間のジョギングのほか、週に1回ずつ午前4時半から6時まで地附山を走り、仕事帰りに長野運動公園陸上競技場での練習会にも参加。週末はトレランの先輩との特訓に取り組むこともある。

 「仕事も家事も練習も、その時々で自分の力の100%を出している。どれか手を抜くと全体のバランスが崩れてしまうので、その方が調子がいい」と笑う。

 今年は、富士山の周囲約160キロを最長2日間で走る「ウルトラトレイル・マウントフジ」で女子4位入賞。GTNSの代表選考を兼ねた国内5大会でも戦績を重ね、初の世界大会出場を果たした。

 ポルトガルでは「世界のレベルの高さを肌で感じた」と振り返る一方、「私より小柄なのに体全体を使って速く走る選手もいた。工夫次第で私も成長できるはず」と、手応えを得たという。

 夢は、米国とヨーロッパで行われるトレラン最高峰といわれる2大会への出場。「トレランを通してたくさんの仲間と出会い、素晴らしい時間を過ごせている。世界で戦うにはまだ力不足だが、諦めずに前進したい」。夢への扉は開いたばかりだ。

 記事・写真 村沢由佳


2022年12月3日号フロント

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