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超絶技巧の工芸作品展示

県立美術館 現代作家と明治の名品

山下さん(右)とのトークで自身の作品解説をする盛田さ

 箱清水の県立美術館は6月18日(日)まで、「超絶技巧、未来へ!明治工芸とそのDNA」を開いています。木彫、金工、陶磁、漆工、切り絵、ガラス、ペーパークラフト、刺しゅう、水墨画の9分野でそれぞれの技法を駆使して新たな領域に挑戦している現代工芸作家17人の新作64点と、近年再評価されている明治期の超絶技巧を施した60作品を展示しています。

 木彫の古びた木製ピンチでつるされたするめや、さびた金具のぶらんこに載せられたホオの実は、そのすべてを一木から細密に彫り出し、彩色を施して、実在するものと見間違えるほど忠実に再現した作品。47枚の白い花弁に鹿角を使った月下美人は、水を注ぐとゆっくりと開き、時間をも表現しています。

 開催前の内覧会では、展覧会監修者で明治学院大教授の山下裕二さん(64)と出品作家の盛田亜耶さん(切り絵)と木彫の松本涼さん(木彫)が作品を解説しました。

 山下さんは「出品作家は誰にもできないことをやろうとしている。作品を間近に見てそのすごさを大勢に伝えてほしい」と話していました。

 会期中、5月13日(土)は山下裕二さんが「超絶技巧の未来」と題して、見どころを解説する記念講演会を開催。5月27日(土)は、展覧会出品作家で木彫作家の大竹亮峯さんが作品の制作過程やアイデアについて話す作家講演会を開催。各日とも参加無料で、観覧券が必要。13日の参加希望者は5月1日(月)から、27日の参加希望者は8日(月)から、美術館ホームページの申し込みフォームから申し込み。

 休館日は水曜(5月3日は開館)。開館時間は9時から17時。観覧料は一般1400円、大学生1200円、高校生以下無料。

 (問)同館☎︎050・5542・8600


2023年4月29日号掲載

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