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豊野高等専修学校1〜3年生 地元に伝わる民話を「面白い紙芝居に」

「みんなで意見出し合い」生徒ら43人で制作

紙芝居を制作した生徒らと前沢教諭(右から2人目)。右端は本の刊行委員長を務めた宮本さん
豊野住民自治協発行「とよのむかしばなし」基に

 豊野高等専修学校の生活美術コースの1年生から3年生の43人は、2021年10月に豊野地区住民自治協議会が刊行した「とよのむかしばなし」を基に紙芝居を作った。

 同自治協が同校に本を寄贈した際、本を普及させるために同コースの生徒に協力を依頼したのがきっかけ。同校は授業の一環で、22年4月から約半年取り組み、完成させた。

 3人から5人ずつ9班に分かれて1話ずつ制作。各班は、全82話を読んだ上でどの話を取り上げるかを決めた。描く場面を決め、キャラクターを作り、絵を描き、せりふも生徒らが考えた。各台紙の裏にどの場面のせりふを書くかなど紙芝居の仕組みも学んだ。

「とよのむかしばなし」表紙

 昔の民間療法としての神仏信仰を紹介した「風邪の神さん」を作った3年の藤沢広輔さんと新里有彩さんは「話のどこで区切りをつけて絵にするか苦労した。班のみんなで意見を出し合い、コミュニケーション力もついた」。3年の佐藤正幸(まさこ)さんの班は、無数の火の玉を狐(きつね)のちょうちん行列に例えた「狐の嫁入り」を制作。「1人2枚ずつ、絵コンテから色塗りまで全工程を担当したので2枚ずつ絵のテイストが変わったが、それが個性になって面白く仕上がった」と話す。

 グループでの制作は初めてという生徒がほとんどだったが、意見の違いや制作の速さの差などを乗り越えて完成させたことで自信にもなったようだ。

 指導した前沢秀樹教諭は「学年の垣根を越えて、コミュニケーションをよくとりながら仕上げた力作で、生徒たちは達成感を感じたよう。特に地域の小学校や保育園などで利用してもらえればうれしい」。


生徒らが制作した紙芝居

 昔話の本の刊行委員長を務めた宮本義彦さんは「インパクトのある企画と絵なので、多くの人に楽しんでもらえると思う」と、紙芝居を通して本が普及することを期待する。紙芝居は自治協に寄贈され、現在は豊野公民館で貸し出している。

 (問)豊野公民館☎︎257・5875

 記事・写真 斉藤茂明


2023年4月1日号フロント

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