県立歴史館が所蔵品展 花押・印判に焦点当てる

千曲市の県立歴史館は、2023年所蔵品展「至宝の名品 学芸員のイチオシ古文書編〜読めなくても面白い」を開いています。
同館は、2021年から歴史的価値の高い史資料を分野ごとに公開する所蔵品展を開催し、今年のテーマは「読めなくても面白い古文書」。古文書の形態や花押・印判に焦点を当て、それぞれがどんな特性を持っていたのかという視点から、館長を含む7人の学芸員がそれぞれ選んだ「イチオシ」の逸品計30点を紹介しています。
東日本最古の皇室文書として知られる重要文化財の「鳥羽院庁下文」をはじめ「足利尊氏自筆書状」、「足利直義軍勢催促状」、武田晴信、長尾景虎、徳川家康らの「書状」、織田信長、豊臣秀吉らの「朱印状」に書かれた花押や押された朱印や黒印を間近に見られます。
このうち、源頼朝側近の梶原景時の文書で、景時花押の2例目となる可能性が昨年判明した注目の文書として、「平某下文」が紹介されています。8世紀半ば以前の信濃国の初期国府が、埴科郡の屋代遺跡群周辺にあった可能性を示唆する県宝の「国符木簡」の展示も。また古文書の料紙の形態についても分かりやすく解説し、そこから読み取れる情報があることも紹介しています。
隣の展示室では、県埋蔵文化財センター速報展「掘るしん2023」を同時開催。長野市長沼城跡出土の「鳥形水滴」など、県内8遺跡からの出土品180点を展示紹介しています。
5月28日(日)まで。月曜休館。開館は9時〜17時。企画展観覧料は一般300円、大学生150円、高校生以下無料。
(問)同館☎︎274・2000
2023年4月15日号掲載