top of page

「葛飾北斎と3つの信濃」展

県立美術館で開催中

北斎肉筆画の大作「弘法大師修法図」(重要美術品)も並ぶ
信州との関わりにスポット

 信濃毎日新聞創刊150周年記念特別展「葛飾北斎と3つの信濃〜小布施・諏訪・松本」が、箱清水の県立美術館で開かれています。江戸時代後期の浮世絵師葛飾北斎(1760〜1849年)と信州の関わりにスポットを当て、浮世絵と肉筆画の代表作全278点を前期・後期入れ替えて展示紹介します。

 展示は「北斎と小布施」「北斎と諏訪」「北斎と松本」の3章で構成。第1章では、小布施町の北斎館から移設した県宝「上町(かんまち)祭屋台」と共に、その天井絵として北斎が手掛けた肉筆の怒濤図「女浪(めなみ)」と、「東町祭屋台」の天井絵「鳳凰図」を展示。同町の岩松院本堂天井絵、通称「八方睨み鳳凰図」は高精細デジタル化技術で約6メートル四方の実寸大複製画が作られ、壁面を飾ります。

 「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」など世界的に有名なシリーズ「冨嶽三十六景」全46図や北斎の風景画シリーズ「諸国瀧廻り」、「諸国名橋奇覧」などの錦絵の名作も。肉筆画では、西新井大師總持寺所蔵の縦約1.5メートル、横2.4メートルの大作で重要美術品の「弘法大師修法図」の展示もあります。

 第2章では、冨嶽三十六景のうち唯一信州を描いた「信州諏訪湖」に着目。なぜこの作品が生まれたのか、北斎の数少ない肖像画の1点である諏訪高島藩家老を描いた作品を通して、北斎と諏訪とのつながりを示唆します。第3章では、北斎の高弟抱亭五清の松本での活躍をその作品で紹介しています。

 展覧会を担当する学芸員の上沢修さんは、「信州でしかできない北斎展。北斎と信州とのつながりを感じながら北斎の名品を楽しんで」と話していました。

 8月27日(日)まで。会期中、大幅な展示替えがあり、前期展示は7月30日(日)まで。後期展示は8月3日(木)から。休館日は毎週水曜日。展示替え期間の7月31日(月)から8月2日(水)までは休室。開館時間は9時から17時。観覧料は一般1600円、中高生800円、小学生以下無料。

 (問)同館☎︎050・5542・8600


2023年7月8日号掲載

bottom of page