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英国原産青リンゴをメイン料理で

  • 10月25日
  • 読了時間: 3分

英国出身の女性講師が紹介

ブラムリーを使ったイギリスの家庭料理や食べ方を実演しながら紹介するステイシーさん
ブラムリーを使ったイギリスの家庭料理や食べ方を実演しながら紹介するステイシーさん
飯綱町でクッキングライブ 参加者「使い道広がった」

 「ブラムリーアップルをお菓子か料理に使ったことのある人はいますか」

 飯綱町のいいづなアップルミュージアムで開かれた「ブラムリーりんごのクッキングライブ」。講師のステイシー・ウォードさん(英国マンチェスター出身)が同町や長野市、信濃町、遠くは静岡市や神戸市からの約50人の参加者に聞いた。多くの手が上がったのを見て「すごく多いですね。とてもうれしい。10年前、私の教室に来た人で知っている人は誰もいなかった」。


 東京・東麻布で、全国から参加者が訪れる英国菓子教室「モーニングトン・クレセント東京」を主宰するステイシーさんはこう振り返り、ブラムリーの本場英国の家庭で最も多く作られている料理と菓子、定番2品のレシピを実演で紹介した。


 このイベントは、飯綱町が11月30日(日)まで開催中の「いいづなりんごフェア」の前半の部「英国リンゴフェア」にちなんで企画した。ブラムリーは、酸味が強く、糖分も少ないため生食には向かず、専ら料理用として使われる青リンゴ。英国では最もポピュラーなリンゴで「クッキングアップルの王様」と呼ばれ、広く親しまれている。


「ポーク&ブラムリーアップル秋のキャセロール」(左)と「ブラムリーアップルクランブル」(右奥)
「ポーク&ブラムリーアップル秋のキャセロール」(左)と「ブラムリーアップルクランブル」(右奥)

 飯綱町でのブラムリー導入は1989年、旧三水村(現飯綱町)が村制100周年記念事業の一環で、英国王立園芸協会に珍しいリンゴの譲渡を依頼したのがきっかけ。翌90年、協会より16品種が無償提供され、アップルミュージアムのリンゴ並木に植樹された。ブラムリーはこのうちの一つ。後に町はリンゴ農家を中心に町民らに接ぎ木を配布。植樹から約35年を経た現在は50軒余りが栽培し、全体の生産量は50トンを超える。


 この日のメニューは、シードルとセージが香る、豚肉のうまみたっぷりのシチュー「ポーク&ブラムリーアップル秋のキャセロール」と、英国の家庭やレストランで定番のリンゴ菓子「ブラムリーアップルクランブル」。ステイシーさんは「煮崩れしやすいこともイギリス人にとっては残念ではなく、フワッとした食感になるうれしい点」など、ブラムリーが英国で好まれるポイントをあげながら、材料の切り方や焼き加減、小麦粉とバターのまぜ方など調理方法や食べ方を分かりやすく教えた。


 かつて町から分けてもらった接ぎ木が毎年20個ほどの実を付けるようになったという女性は「お菓子かサラダにスライスして入れる程度だった。メインの料理になることを知って使い道が広がった。さっそく作ってみようと思う」と感謝した。


 10月20日からはいいづなりんごフェア後半の部「りんごスイーツフェア」がスタート。町内のフェア参加各店が町産英国リンゴを使ったスイーツを販売している。


 ブラムリーなど同町産の海外品種リンゴと加工品は、町内3カ所の農産物直売所で販売。各品種の出回り時期は短く、生果が店頭に並ぶ期間は限られる。

 (問)町役場農政係☎︎253・4765


記事・写真 中村英美


2025年10月25日号フロント

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