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若い人に郷土の偉人知ってほしい

松井須磨子の功績伝える短編アニメ

松井須磨子の顕彰に取り組む堀川さん

 明治の終わりから大正中期にかけて活躍した松代町出身の女優松井須磨子(1886〜1919年)。彼女の顕彰活動を行う松井須磨子協会(東京)はこのほど、須磨子の功績を伝える短編アニメーション「カチューシャの誕生」を制作し、動画投稿サイトのユーチューブで公開を始めた。企画から制作に携わった協会代表理事の堀川健仁(けんと)さん(36)=静岡市=は「女性の星のように輝いた須磨子のことを広い世代に知ってもらうきっかけになればうれしい」と期待する。

短編アニメ「カチューシャの誕生」の一場面(松井須磨子協会提供)

 約15分のアニメでは、須磨子が舞台「復活」で歌い、日本人がC字型のヘアバンドのことを「カチューシャ」と呼ぶ由来にもなった「カチューシャの唄」や、演出家で恋仲にあった島村抱月(1871〜1918年)と須磨子が設立した「芸術座」の近代演劇に残した足跡を分かりやすく描く。アニメは映像作家の瀬尾宙(ひろし)さんが手がけ、脚本は堀川さんが協力。長野市を拠点に活動する元タカラジェンヌの朱紫令真さんがナレーションを担当している。

1917年の芸術座第10回公演「生きる屍」でマーシャを演じた松井須磨子

 堀川さんは、須磨子が少女時代を過ごした上田市の養家、長谷川家の子孫。幼い頃から須磨子が縁戚であることは知っていたが、自由恋愛や後追い心中のイメージが先行して関心を持てないまま過ごしてきた。

 しかし、須磨子の没後100年を機に改めて彼女の生涯を調べると、日本の演劇史上、また音楽史上に大きな功績を残した人物であったことが分かった。「スキャンダラスなイメージで捉えられるのが悔しかった。何ができるか分からないけれど、それを払拭したいと思った」。

 その後、須磨子の功績をたたえ、次世代に継承していきたいという強い思いから2023年に同協会を設立。須磨子の故郷である長野市に記念館をつくることを目標に活動を本格化させた。

「カチューシャの唄」レコードジャケット(堀川さん所蔵)

 堀川さんは「協会が開くイベントに関心を持って足を運んでくれるのはほとんどが年配の人たち。今回のアニメで、若い人たちに、須磨子を郷土の偉人として知ってもらえたら」と思いを込める。

 同協会は記念館設立の構想実現のために寄付を募っているほか、オンラインで署名活動も始めた。共に活動する会員も募集中。須磨子が活動していた当時の資料の寄贈も受け付けている。

 (問)同協会(メール)matsui.association@gmail.com

 記事 中村英美


2024年5月11日掲載フロント

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