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移住者受け入れに全力対応

飯綱町が「住み続けたい街ランキング」甲信越版2位に

2021年にオープンした飯綱町子育て世代支援施設 「みつどんのお家」。1階は子育て支援センター、2階はコワーキングスペースや会議室などがある

 賃貸住宅建設大手の大東建託(東京)が9月に発表した「住み続けたい街ランキング」甲信越版(長野県、山梨県、新潟県)で飯綱町が、1位の小布施町に次いで2位にランクインした。同町は「日本一女性が住みたくなる町」を目標に掲げてさまざまな施策に取り組んでいるほか、幅広い世代の移住促進にも力を入れる。町関係者は「ずっと住み続けたい町であってこそ未来が見えてくる」とランキング発表を喜んでいた。


町の活性化のシンボルとして、旧三水第二小学校の校舎を整備して2020年7月にオープンした 「いいづなコネクトEAST」 1階のコミュニティーラウンジ

 調査は今年2月から3月にかけて、甲信越居住の20歳以上の男女7539人を対象にインターネット上で行った。「ずっと住んでいたいか」という設問に、「そう思う」(100点)、「どちらかといえばそう思う」(75点)、「そう思わない」(0点)など5択で回答してもらい、市町村ごとの平均値を出した。飯綱町居住者のコメントには、「生まれ育った所だし、昔からの友人や親戚が多いから」「自然が豊かで、夜は静かで星がきれいに見える」などがあった。


「みつどんのお家」1階にある就園前の親子の遊び場(飯綱町提供)

 同町の人口は1995年の1万3292人をピークに減少に転じ、9月30日現在は1万395人。65歳以上の高齢化率は40%を超える。近年の町の総合計画立案のための人口統計データから、町を支えてきた中心世代の20代から30代の女性の人数と出生率が県内でも最低水準まで下がっていることが判明。町はこれを喫緊の課題と捉え、21年には、子育て世代支援施設「みつどんのお家」を開設した。託児所付きワークスペース「飯綱町ワークセンター」、子どもと保護者が一緒に遊べる「子育て支援センター」、母子保健の拠点となる「子育て世代包括支援センター」の三つで構成。ワークセンターでは、スキルアップ講座や企業と子育て世代をつなぐマッチングイベントなども開催する。


移住定住人口の増加を図るため、町の「民間賃貸等建設補助金」を活用して建てられた民間賃貸住宅(飯綱町提供)

 また、移住促進対策で住宅供給不足に対応するため「民間賃貸住宅等建設補助金」の制度もつくった。

 飯綱町役場企画課人口増推進室の井沢理恵さんは「生活環境の悪化につながる人口減少を少しでも和らげ、長く活力のある地域社会を実現することが私たちの役目。そのために移住者の受け入れに全力で対応している」と話した。

 記事・写真 中村英美


2023年10月14日号掲載

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