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福寿草に集まるハナアブ

太陽の光 花の中央に 暖かさ保ち虫も喜ぶ

 長野県南部では福寿草が見頃を迎えています。この時季に咲く花は少ないため、春を告げる花といわれています。


 開花を喜んでいるのは虫も同じで、花の周りにはハナアブやハエが集まります。


 実は、虫たちにとって福寿草は「暖が取れる花」。花の中央部は、外気温より10度くらい高いこともあります。


 それを可能にしているのが、パラボラアンテナのような花の形です。花びらで反射された太陽の光が花の中央部に集まり、暖かくなる仕組みです。さらに、この花は器用に太陽の方角に合わせて向きを変えるため、暖かさを保つことができます。


 福寿草は蜜を出しませんが、その代わりに暖かさ目当てに集まった虫が花粉を運んでくれます。寒さが残る時期のぬくもりは甘い蜜よりも魅力的なのかもしれませんね。


 今シーズンは予想された通り「冬らしい冬」となりました。地球温暖化が進むと、冬も暖かくなると考える人が多いかもしれませんが、「温暖化が進むと日本の冬は寒くなる」という研究データがあります。


 原因は「北極の氷」です。北半球で最も温暖化が進んでいるのが「北極」で、地球全体の平均の約4倍の速さで気温が上昇しています。


 「白色」は太陽の光を反射するため、北極に氷が多いと温度の上昇を防ぎますが、温暖化で海の氷が減ると太陽光を反射しにくくなり、他のエリアに比べて温暖化が加速してしまいます。


 また、北極の海氷が減り、大きな偏西風蛇行が起こりやすくなっているという説もあります。偏西風の北側には寒気があるため、大きく蛇行することにより、日本に寒気が流れ込みやすくなり、日本の冬が寒くなったり、積雪が増えたりといった異常気象が起きてしまいます。


 北極の氷が解けると、将来的に世界中の気候ががらりと変わってしまうそうです。もっと自分事として考える人が増えてほしいと強く思います。


2025年2月22日掲載

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