top of page

社会福祉法人「森と木」20周年

11月4日「ありがとう祭」

絵を描く山岸さん(左)と井原さん(右)を見守る職員ら
若里市民文化ホール 〜新たなステージに向けて

 六つの生活介護事業所での通所支援をはじめ、就労支援、生活支援、放課後等デイサービスなど、障害のある人の支援事業を長野市内で展開している社会福祉法人「森と木」(本部・平林)は11月4日(土)12時から16時半まで、「森と木20周年 ありがとう祭」を若里市民文化ホールで開く。入場無料。今回、障害福祉の取り組みをより広く一般市民に知ってもらおうと、周年祭としては初めて外部に向けてのイベントだ。事業所で大詰めの準備が進められている。


 同法人専務理事の岸田隆さん(58)らが1994年、障害のある子を一時預かりするレスパイトケアを行う「家族支援センターワンズハウス」を立ち上げた。任意団体だったため、より安定した仕組みをつくることで利用者の親たちの願いに応えようと、2002年社会福祉法人を設立。翌03年、生活介護事業所「自立サポート森と木」を開所した。現在の法人全体の利用者数は長野市内を中心に500人ほどいる。


 今回のイベントで100点以上の絵画作品などを展示するアート活動拠点「アトリエキノ」(高田)では、利用者たちは日々、絵を描くなどのアート作品作りをしている。毎日、午後だけ、週1回だけなど、通うペースはそれぞれ。


 井原明美さん(54)と山岸みなとさん(32)が広いテーブルで絵を描いていた。花火を描くのが好きだという井原さんはにこにこと話をしながら筆を滑らせ、白い部分がにじんで見えなくなるほど絵の具を塗り重ねる。山岸さんはひたすら、ぱたぱたと筆をはたくように色を乗せていく。ペンや色鉛筆など使う画材はその時々でいろいろだという。


 隣の部屋では、小林翔伍さん(32)が、絵を描いた紙をくしゃっと丸め、ソファでごろんと横になり目をつぶっていた。そんな姿を見て職員は「休憩タイムですね」と静かに笑顔を向ける。「みんなが自分のペースで描いています。言葉でのコミュニケーションが難しい人もいますが、描くことでコミュニケーションがとれます。ここでは描くことに集中できるので、想像力が広がり良い作品作りにつながっていると感じます」


 イベントでは、アート作品の展示のほか、食品や雑貨の販売、ステージでの催しなどがある。13時からの大座談会「森と木を熱く語る」では、外部から同法人に深く関わってきた人たちを交えて、同法人のこれからを話し合う。岸田さんは「障害者に限らず、いろいろなところで困って助けを求めている人がいます。社会の中でもっとシームレスに支援ができるような環境づくりのために、具体的に何をしたら良いか聞いてみたい」とし、新たなステージに向けて社会福祉法人としての役割を考えたいという。

 (問)森と木☎︎259・9970

 記事・松井明子・写真 森山広之

 

森と木20周年 ありがとう祭

ホワイエアトラクション (12時〜13時・14時〜14時30分)

楽しく集っておいしく食べよう

・西洋料理店もりたろうの出張レストラン(弁当・サンドイッチ販売)

・ほろ酔い横丁(日本酒・ワイン・生ビールなどアルコール類の販売)

・ゆかいなアートめぐり展(絵画・立体作品展示)

・ジャム、クッキー、ワッフル、アート雑貨などの販売

・田中屋酒造店(飯山市)の協力で、日本酒「水尾」 森と木20周年記念ラベル特別限定販売

ステージショー  (13時〜16時30分)

13時 大座談会「森と木を熱く語る」

14時30分 飯山ガキデカJugStompers LIVE

15時 D×Pビートウッズ DANCE

15時30分 ポカスカジャンLIVE

16時10分 森と木のうた大合唱いろんな人が生きているから」


2023年10月28日号フロント

bottom of page