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真田宝物館で「昌幸の選択」展

新史料「豊臣秀吉朱印状」展示も

「昌幸の選択」から真田家の歴史を見た企画展

 真田宝物館(松代町)は、企画展「昌幸の選択」を開催しています。真田昌幸ゆかりの書状や絵画、よろいなどの武具、新たに発見された史料を前期と後期に分けて62点を展示。重要文化財の「青江の大太刀」や、県宝の昌幸の古文書など貴重な文化財が間近で見られます。

 戦国武将の昌幸が直面した分岐点を五つにまとめ、それぞれどのような選択をし、結果はどうなったのかを分かりやすく解説しています。

 「第一の選択」では、武田氏一門の武藤家の養子となり、2人の兄の死後、武藤家に残らず、真田家に戻る選択をして頭角を現したことを取り上げ、最後の「第五の選択」は、関ケ原の戦いで石田側の昌幸に対して、長男の信之は徳川についたことで、真田家の継承につながった歴史を紹介しています。

 今回、新しい史料となるのが「豊臣秀吉朱印状」。昌幸が秀吉に大蝋燭300挺と雁10羽を贈ったことへの礼状で、「天下人」が使った高級紙「大高檀紙」に秀吉の朱印が押されています。松代藩士の子孫、片岡久晴さんが2年前に家系の歴史をまとめた書籍を同館に寄贈し、同館研究員が片岡さん宅を調査に訪れて発見しました。


新史料の「豊臣秀吉朱印状」。左上の日付に秀吉の朱印がある

 開催初日の7月1日、研究員が展示史料の解説をするギャラリートークがあり、松代文化財ボランティアの会など20人以上が参加しました。同会の大沢富士夫さん(74)は「戦国時代を生きた昌幸の情報収集力の高さを感じた。本物の書状がこれだけ集まるのは珍しい。自分なりに話をまとめて案内したい」。同館研究員の山中さゆりさんは「昌幸は何度も転機を迎え、選択を迫られてきた。『家の継承』につながった最後の選択は正しかったのか、 鑑賞者、それぞれ思いを巡らせてほしい」と話します。

 前期は8月21日(月)まで、後期は8月23日(水)から9月25日(月)。火曜休館。9時から17時。入館料は一般600円、小中学生100円。期間中、ギャラリートーク、ワークショップがあります。

 (問)同館☎︎278・2801


2023年7月8日号掲載

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