古代から続く霊場知って

小島田町の市立博物館は、松代町豊栄地区の皆神山周辺に古来どのような信仰世界が広がっていたかをひもとく春の企画展「皆神山をとりまく世界〜パワースポットの源流を探る」を開いています。
同館によると、長野市を代表する信仰の山である皆神山は、室町時代以降、修験道の拠点となり、江戸時代には統括地域が北は飯山から南は伊那、木曽地域まで広がり、戸隠や飯縄をしのぐ修験の一大拠点だったといいます。
企画展では、皆神山と周辺地域に残る仏像や古文書など貴重な資料約50点を展示して、今日パワースポットとして知られるその源流が古代までさかのぼることを紹介しています。
皆神山東側の東条地区の玉依比売命(たまよりひめのみこと)神社の「狛犬(こまいぬ)」は、近年の調査で平安時代の作で、全国的にも貴重な狛犬一対像であることが判明した古像。同地区の清滝観音堂の秘仏「千手観音菩薩立像」は、鎌倉時代初頭の作で頭上に11面をいただく十一面千手観音です。普段は厨子(ずし)の中に安置され、外からは全く見られません。
企画展を担当した研究員の竹下多美さんは「古代から続く神仏の霊場であったことを知ってもらい、皆神山をとりまく信仰世界の広がりを感じてもらえたらいい」と話していました。
6月18日(日)まで。開館時間は9時から16時半まで。月曜休館。入館料は一般300円、高校生150円、小中学生100円(小中学生は土曜は無料)。
(問)同館☎︎284・9011
2023年5月27日号掲載