県立美術館 明治時代の作品紹介

明治時代、国内外の画家は当時の風景や風俗をどう描いたのか—。水彩画や油彩画を通して明治という時代を知る展覧会「高野光正コレクション 発見された日本の風景」が4月9日(日)まで、箱清水の県立美術館で開かれています。
実業家高野光正さんが、40年以上の歳月をかけて海外で収集した明治時代の日本を描いた水彩画や油彩画の中から、国内外の画家70人の計243点を展示。東京、日光から東海道、京都を経て中国、四国、九州地方に至る風景で日本を旅する「明治の日本を行く」、子守をする子どもたちや三味線の稽古、農家の縁側の行商人など明治の日本人の暮らしを見つめる「人々の暮らしを見る」、花に満ちた日本の風景を集めた「花に満たされる」の3章で紹介しています。
このうち「提灯(ちょうちん)屋の店先」や「農家の少女たち」など10点が並ぶ笠木治郎吉(1870〜1923年)は、高野コレクションを代表する作家の一人。名前は知られながらも作品のほとんどは外国人の土産物として輸出され、国内では見つからずに「幻」とされていたといいます。今回笠木特有の「写真に色を付けたくらい」濃厚な彩色の水彩で生き生きと表現された風俗画を見ることができます。東御市出身の丸山晩霞(1867〜1942年)の描いた水彩画12点も展示紹介しています。
「当時の国内外の画家たちが発見した日本の風景を見て心豊かなひとときを過ごしてほしい」と同館。
3月21日(火)14時からは担当学芸員によるギャラリートークを開催。申し込みは不要。参加無料で観覧券が必要。
休館日は水曜。開館時間は9時から17時。観覧料は一般1200円、大学生と75歳以上1000円、高校生以下無料。
(問)同館☎︎050・5542・8600
2023年3月18日号掲載