top of page

「生誕150年池上秀畝」展

県立美術館 「高精細」の日本画

皇居三の丸尚蔵館所蔵6曲1双の金屏風「国之華」

 伊那市高遠町出身で、明治の終わりから大正、昭和にかけて活躍した日本画家池上秀畝(しゅうほ)(1874〜1944年)の人生と代表作をたどる展覧会「生誕150年池上秀畝 高精細画人」が県立美術館で開かれています。36年ぶりの大規模回顧展。6月11日(火)までの前期と13日(木)から6月30日(日)までの後期で一部作品を入れ替え、全体では約100点を展示紹介します。

 秀畝は、飯田市出身の日本画家菱田春草(1874〜1911年)と同じ年生まれ。春草は東京美術学校に進み、横山大観らと共にそれまでの日本画に新風を吹き込んだ「新派」の旗手となっていきます。対して、秀畝は春草と同じ時期に上京。日本画家の荒木寛畝(かんぽ)(1831〜1915年)の住み込みの弟子となり、伝統的な日本画を学びます。1916年から3年連続で文展特選を受賞、帝展で無鑑査、審査員を務めるなど官展内で「旧派」を代表する画家として活躍しました。

 展覧会タイトルに「高精細画人」とある秀畝は、徹底した写生に基づく描写と天性の色彩感覚による大画面の華麗な花鳥画を得意としていました。前期展では、皇居三の丸尚蔵館所蔵の6曲1双の金屏風「国之華」を特別展示。昭和天皇の婚礼祝いとして制作されたもので、縦約1.8メートル、横約8.7メートルの大画面に、日本を表す桜と皇室を表す菊がきらびやかに描かれています。

 「桃に青鸞(せいらん)・松に白鷹図」は、旧大名家、旧蜂須賀侯爵邸の杉戸絵。秀畝が54歳ごろに手掛けた、鳥の画家と呼ばれた秀畝畢生(ひっせい)の大作とされる作品で、秀畝芸術の絢爛さを目の当たりにできます。

 また、会場には、秀畝と同時代の人たちがどのように屏風を見ていたのか、実際に畳に座って屏風を間近に鑑賞できるコーナーも。

 担当学芸員の松浦千栄子さんは「有名なようでいて実は作品はちゃんと知られていなかった。今回代表作を展示できたので、秀畝がどんな画家でどんな絵を描いていたのか、目で見て肌で感じて楽しんでほしい」と話します。

 会期中、6月22日(土)13時半から40分ほど、スライドトーク「レッツトライ!牧野式植物画鑑賞」を開催。練馬区立牧野記念庭園学芸員の田中純子さんが、植物学者牧野富太郎の目線で、秀畝が描いた植物について話します。参加希望者は同館ホームページから事前に申し込み。参加費無料、要観覧券。

 休館日は水曜。開館時間は9時から17時。観覧料は一般1000円、大学生・75歳以上700円、高校生以下または18歳未満無料。

 (問)同館☎︎232・0052


2024年6月8日号掲載

Comentarios


bottom of page